ロジクール「K855」レビュー - 破格の安さ! 完成度高めの無線メカニカルキーボード
●手に取りやすい価格が魅力のテンキーレスメカニカル
ロジクールが、メカニカルスイッチ採用のワイヤレスキーボード新モデル「ロジクール SIGNATURE K855ワイヤレス メカニカルTKL キーボード」を発表した。
2022年6月には、フラッグシップシリーズ「MX」シリーズ初となるメカニカルスイッチ採用ワイヤレスキーボード「MX MECHANICAL」を発売したばかりだが、今回のK855はコストパフォーマンスに優れるワイヤレスメカニカルキーボードとして位置付けられている。
ロジクール SIGNATURE K855ワイヤレス メカニカルTKL キーボード。直販価格が11,550円と安価な点が大きな魅力
○コスパの高さで勝負、お手頃価格が大きな魅力
ロジクール調べによると、日本でのメカニカルキーボードのシェアは約15%あるという。この数字はかなり多いようにも感じるが、ロジクールによると、メカニカルキーボードを使いたいと思いつつ、価格の面で選択しないという人も多いそうだ。
そこで、メカニカルキーボードの快適さや反応の良さに、ワイヤレスで利用できるという特徴を備えつつ、コストパフォーマンスを高めることで、これまでメカニカルキーボードを敬遠していたユーザーのニーズも満たす製品として投入されたのが、「ロジクール SIGNATURE K855ワイヤレス メカニカルTKL キーボード」(以下、K855)だ。
K855はテンキーレス仕様のコンパクトボディなので、置き場所に困らず利用できる
最大の特徴となるのが価格で、K855はロジクールオンラインストアの直販価格が11,550円となっている。一般的なワイヤレスキーボードでは1万円以下の製品が多数存在しており、そういった製品と比べると高価かもしれない。
しかし、1万円を大きく上回る価格の製品がほとんどとなっているワイヤレス仕様のメカニカルキーボードの中では、破格の安さだ。確かにこの価格なら、これまで価格の面でメカニカルキーボードを諦めていた人でも、比較的気軽に手に取れるのではないだろうか。
ロジクールは、同様のコンセプトで、直販価格が7,150円と安価な有線メカニカルキーボード「K835 TKL メカニカル」をすでに発売している。そして、今回のK855と合わせて、今後メカニカルキーボード市場を盛り上げたいと考えているそうだ。
○「K835 TKL メカニカル」をベースにワイヤレス化
K855は、有線タイプのK835同様に、フルキーボードからテンキー部分を切り取った、テンキーレス仕様となっている。
外観デザインや配列はK835にかなり近い。サイズは、W355.2×D138.8×H38.8mmと、ワイヤレス対応で乾電池や無線などを搭載することもあって、K835と比べてわずかに奥行きが長くなっているものの、キーボード部分はK835と大きく変わらないと考えていい。カラーは、グラファイトとオフホワイトの2色をラインナップしている。
K855(上)とK835(下)。外観デザインは似通っている(写真のカラーはどちらもグラファイト)
ただ、よく見るとキー表記がK835と異なっている部分がある。たとえば「Windows」キーの表記が「スタート/opt」に、「Alt」キーの表記が「Alt/cmd」となっている。これは、K855がWindowsだけでなくmacOSやLinux、Chrome OS、Androidなどでの利用にも対応しているからだろう。
もちろん、表記が異なっていても、配列はほぼ標準的なので、特に使いづらいと感じることはない。実際、一般的な日本語キーボードとして違和感なく利用できた。
カーソルキーやDel/InsなどのキーもEnterキーから間隔を空けて配置されているため使いやすい
本体前方
背面
左側面
右側面
○本体を立てて収納、デスク周りが広々使える
また、後方がフラットとなり、立てて収納できるようになっている点も、K855の特徴のひとつ。テンキーレスでサイズがコンパクトなだけでなく、収納する場合でも場所を取らないよう工夫されており、デスクを広く使いたい場合などに便利だ。
重さは692.4gと、サイズの割に比較的重い。これは、本体上部にアルミニウムハウジングを採用していることも大きく影響しているだろう。このアルミニウムハウジングは、デザイン性だけでなく、本体の剛性も大きく高められている。本体剛性が優れることは、タイピングの快適度を高めることに繋がるため、この点は大きなポイントだ。
背面がフラットとなっているため、立ててコンパクトに収納できる
本体のキートップ側にはアルミニウムハウジングを採用。スタイリッシュなデザイン性とともに、剛性にも優れ打鍵感も高められている
なお、このアルミニウムハウジングは再生エネルギーを利用して生成された低炭素アルミニウムを採用。また樹脂素材にも再生素材を利用したり、エコパッケージ採用など、環境にも配慮されている。
○接続はBluetoothかLogi Bolt USBレシーバー
キーボード面は標準で4度、底面後方のスタンドを開くと8度と、2段階で角度の調節が可能。また、キートップも弧を描くような角度が付けられている。これらも、快適なタイピングにつながっている部分と感じる。
底面
底面後方のスタンドを利用してキーボード面の角度を2段階に調節可能
底面スタンドを開くとキーボード面の角度が8度になる
キートップが弧を描くような角度が付けられている点も、利便性を高めている
PCとの接続は、Bluetooth Low Energyまたは「Logi Bolt USBレシーバー」を利用した無線接続に対応。対応OSは、Windows 10以降、macOS 10.15以降、Linux、Chrome OSで、Bluetooth接続ではAndroid 8.0以降にも対応する。
機器とのペアリングは、最大3台の機器との同時ペアリングに対応。キーボード最上列のF1からF3に割り当てられたEasy-Switchボタンで接続機器を切り替えて利用できる。
電源は単4形アルカリ乾電池を2本利用し、底面後方に搭載。電池寿命は最大36カ月と申し分ない長さとなっている。また電池の横にはLogi Bolt USBレシーバーを収納するスペースも用意されている。
PCとの接続は、Bluetooth Low Energyまたは製品に付属する「Logi Bolt USBレシーバー」を利用する
F1からF3に割り当てられたEasy-Switchボタンで接続機器を簡単に切り替え可能
電源は単4形アルカリ乾電池を2本利用し、電池寿命は最大36カ月。電池収納スペース横にLogi Bolt USBレシーバーも収納できる
右側面に電源スイッチを配置
●TTC製の赤軸(リニア)スイッチ、実際の使用感は?
○コスト重視で省かれた機能たち
MX MECHANICALシリーズや、ロジクールのゲーミング向けメカニカルキーボードなどでは、ロジクールが独自開発したメカニカルスイッチを採用している。それに対しK855は、K835同様に、中国TTC製のメカニカルスイッチを採用している。
これについてロジクールは、独自メカニカルスイッチはコストがかかるため、コストを抑えるためにTTC製スイッチを採用していると説明する。コストダウンを実現するためにはしかたのない部分かもしれないが、この点は少々残念ではある。
キー配列は有線メカニカルキーボードのK835とほぼ同じだが、一部キーの表記が変更されている
コストダウンのため、中国TTC製の赤軸(リニア)スイッチを採用。キーボードバックライトも非搭載。それでも最大5,000万回と耐久性は申し分ない
また、MX MECHANICALや、ゲーミング向けメカニカルキーボードなどにも搭載されている、キーボードバックライトも非搭載となっている。このあたりもコストダウンを実現するためのものと考えていいだろう。
とはいえロジクールは、コストダウンするからといって、品質は低下させたくないとのことで、採用にあたっては打鍵テストを実施するなど厳密な品質チェックを行い、独自の品質基準をクリアするスイッチを採用したという。K855のスイッチは最大5,000万回の耐久性を備えているそうで、これだけの耐久性があれば安心して長期間利用できるはずだ。
○ストロークは深くても軽快なタイピング!
メカニカルスイッチの軸は、K835では赤軸と青軸(クリッキー)が用意されていたが、K855では赤軸(リニア)のみとなっている。打鍵感は、赤軸らしいリニアなものとなっていて、スムーズかつ高速なタイピングが可能。
キーピッチは19mmフルピッチ。キーストロークは4±0.4mmで、ロープロファイルの軸を載せるMX MECHANICALよりも1mmほど深い。実際にタイピングしてみても、しっかり押し込むようにタイピングする必要があると感じる。
ただ、赤軸なので明確なクリック感がなく、軽いタッチでタイピングできるので、ストロークは深くてもかなり軽快にタイピングできるという印象だった。もちろん、メカニカルスイッチらしく確実なタイピングができる点も、とても心地がいい。
打鍵音は、メカニカルスイッチが赤軸ということもあって、スイッチが発する音はほぼないが、キーが底打ちするときのカチカチという音は比較的大きい印象。MX MECHANICALのような静音仕様とはなっていないようで、打鍵音はやや大きいと感じる。メカニカルキーボードを操作しているという印象は強いが、個人的にはもう少し静かな打鍵音だと良かったと感じた。
ストロークは4±0.4mmとなかなかの深さだが、赤軸のため軽いタッチで軽快にタイピングできる。ただキーが底打ちする時の音はやや大きい
短い文章入力でタイピングを試してみました。軽いキータッチで軽快に打ち込むことができます。底打ちの音は一般的なメカニカルキーボードと同じ程度には鳴る印象でした ※音が出ます
○ファンクションキー列に機能キーを搭載
ファンクションキー列は、標準では先に紹介したペアリング機器を切り替えるEasy-Switchボタンや、絵文字機能、音声認識機能の呼び出しなども加えたメディアコントロールボタンを配置。もちろん、標準でファンクションキーを有効とすることも可能だ。
近年のロジクール製キーボード同様に、ファンクションキー列はペアリング機器を切り替えるEasy-Switchボタンや、絵文字機能、音声認識機能の呼び出しなども加えたメディアコントロールボタンを配置
オリジナルアプリ「Logi Options+」を利用することで、メディイアコントロールボタンの呼び出し機能を自由に変更可能
このメディアコントロールボタンは、近年のロジクール製キーボードで広く採用されているものと同じだが、現代のPCの使い方を反映したもので、それら機能をよく使う人にとっては便利なはずだ。
合わせて、オリジナルアプリ「Logi Options+」を利用することで、メディイアコントロールボタンの呼び出し機能を自由に変更可能なので、ユーザーそれぞれが自分の使い方に合わせて便利に機能をカスタマイズできるのも嬉しい部分と言える。
あらかじめ用意されている機能を選択したり、キーボードショートカットも登録できる
ファンクションキーを標準として設定し利用することも可能だ
○安価なワイヤレスメカニカルキーボードとして魅力的な存在
K855は、ワイヤレスメカニカルキーボードとしてはかなり安価な製品だ。メカニカルスイッチはサードパーティ製で、バックライトを搭載しないなどコストダウンの影響が随所に見られるのも事実だ。しかし実際に触ってみると、メカニカルキーボードとして申し分ない打鍵感とタイピングのしやすさが実感できる。
個人的には、もう少し打鍵音が静かだと良かったが、メカニカルキーボードとしての完成度はかなり高いと感じた。そのうえで価格は11,550円と安価なので、コストパフォーマンスは非常に優れている。
そのため、これまでメカニカルキーボードを使ってみたくても価格的になかなか手が出なかったという人にとって、魅力的な選択肢になるだろう。基本的には、タイピングの多い人に特にお勧めしたいが、この価格なら万人に十分お勧めできる製品と言える。
ロジクールが、メカニカルスイッチ採用のワイヤレスキーボード新モデル「ロジクール SIGNATURE K855ワイヤレス メカニカルTKL キーボード」を発表した。
2022年6月には、フラッグシップシリーズ「MX」シリーズ初となるメカニカルスイッチ採用ワイヤレスキーボード「MX MECHANICAL」を発売したばかりだが、今回のK855はコストパフォーマンスに優れるワイヤレスメカニカルキーボードとして位置付けられている。
○コスパの高さで勝負、お手頃価格が大きな魅力
ロジクール調べによると、日本でのメカニカルキーボードのシェアは約15%あるという。この数字はかなり多いようにも感じるが、ロジクールによると、メカニカルキーボードを使いたいと思いつつ、価格の面で選択しないという人も多いそうだ。
そこで、メカニカルキーボードの快適さや反応の良さに、ワイヤレスで利用できるという特徴を備えつつ、コストパフォーマンスを高めることで、これまでメカニカルキーボードを敬遠していたユーザーのニーズも満たす製品として投入されたのが、「ロジクール SIGNATURE K855ワイヤレス メカニカルTKL キーボード」(以下、K855)だ。
K855はテンキーレス仕様のコンパクトボディなので、置き場所に困らず利用できる
最大の特徴となるのが価格で、K855はロジクールオンラインストアの直販価格が11,550円となっている。一般的なワイヤレスキーボードでは1万円以下の製品が多数存在しており、そういった製品と比べると高価かもしれない。
しかし、1万円を大きく上回る価格の製品がほとんどとなっているワイヤレス仕様のメカニカルキーボードの中では、破格の安さだ。確かにこの価格なら、これまで価格の面でメカニカルキーボードを諦めていた人でも、比較的気軽に手に取れるのではないだろうか。
ロジクールは、同様のコンセプトで、直販価格が7,150円と安価な有線メカニカルキーボード「K835 TKL メカニカル」をすでに発売している。そして、今回のK855と合わせて、今後メカニカルキーボード市場を盛り上げたいと考えているそうだ。
○「K835 TKL メカニカル」をベースにワイヤレス化
K855は、有線タイプのK835同様に、フルキーボードからテンキー部分を切り取った、テンキーレス仕様となっている。
外観デザインや配列はK835にかなり近い。サイズは、W355.2×D138.8×H38.8mmと、ワイヤレス対応で乾電池や無線などを搭載することもあって、K835と比べてわずかに奥行きが長くなっているものの、キーボード部分はK835と大きく変わらないと考えていい。カラーは、グラファイトとオフホワイトの2色をラインナップしている。
K855(上)とK835(下)。外観デザインは似通っている(写真のカラーはどちらもグラファイト)
ただ、よく見るとキー表記がK835と異なっている部分がある。たとえば「Windows」キーの表記が「スタート/opt」に、「Alt」キーの表記が「Alt/cmd」となっている。これは、K855がWindowsだけでなくmacOSやLinux、Chrome OS、Androidなどでの利用にも対応しているからだろう。
もちろん、表記が異なっていても、配列はほぼ標準的なので、特に使いづらいと感じることはない。実際、一般的な日本語キーボードとして違和感なく利用できた。
カーソルキーやDel/InsなどのキーもEnterキーから間隔を空けて配置されているため使いやすい
本体前方
背面
左側面
右側面
○本体を立てて収納、デスク周りが広々使える
また、後方がフラットとなり、立てて収納できるようになっている点も、K855の特徴のひとつ。テンキーレスでサイズがコンパクトなだけでなく、収納する場合でも場所を取らないよう工夫されており、デスクを広く使いたい場合などに便利だ。
重さは692.4gと、サイズの割に比較的重い。これは、本体上部にアルミニウムハウジングを採用していることも大きく影響しているだろう。このアルミニウムハウジングは、デザイン性だけでなく、本体の剛性も大きく高められている。本体剛性が優れることは、タイピングの快適度を高めることに繋がるため、この点は大きなポイントだ。
背面がフラットとなっているため、立ててコンパクトに収納できる
本体のキートップ側にはアルミニウムハウジングを採用。スタイリッシュなデザイン性とともに、剛性にも優れ打鍵感も高められている
なお、このアルミニウムハウジングは再生エネルギーを利用して生成された低炭素アルミニウムを採用。また樹脂素材にも再生素材を利用したり、エコパッケージ採用など、環境にも配慮されている。
○接続はBluetoothかLogi Bolt USBレシーバー
キーボード面は標準で4度、底面後方のスタンドを開くと8度と、2段階で角度の調節が可能。また、キートップも弧を描くような角度が付けられている。これらも、快適なタイピングにつながっている部分と感じる。
底面
底面後方のスタンドを利用してキーボード面の角度を2段階に調節可能
底面スタンドを開くとキーボード面の角度が8度になる
キートップが弧を描くような角度が付けられている点も、利便性を高めている
PCとの接続は、Bluetooth Low Energyまたは「Logi Bolt USBレシーバー」を利用した無線接続に対応。対応OSは、Windows 10以降、macOS 10.15以降、Linux、Chrome OSで、Bluetooth接続ではAndroid 8.0以降にも対応する。
機器とのペアリングは、最大3台の機器との同時ペアリングに対応。キーボード最上列のF1からF3に割り当てられたEasy-Switchボタンで接続機器を切り替えて利用できる。
電源は単4形アルカリ乾電池を2本利用し、底面後方に搭載。電池寿命は最大36カ月と申し分ない長さとなっている。また電池の横にはLogi Bolt USBレシーバーを収納するスペースも用意されている。
PCとの接続は、Bluetooth Low Energyまたは製品に付属する「Logi Bolt USBレシーバー」を利用する
F1からF3に割り当てられたEasy-Switchボタンで接続機器を簡単に切り替え可能
電源は単4形アルカリ乾電池を2本利用し、電池寿命は最大36カ月。電池収納スペース横にLogi Bolt USBレシーバーも収納できる
右側面に電源スイッチを配置
●TTC製の赤軸(リニア)スイッチ、実際の使用感は?
○コスト重視で省かれた機能たち
MX MECHANICALシリーズや、ロジクールのゲーミング向けメカニカルキーボードなどでは、ロジクールが独自開発したメカニカルスイッチを採用している。それに対しK855は、K835同様に、中国TTC製のメカニカルスイッチを採用している。
これについてロジクールは、独自メカニカルスイッチはコストがかかるため、コストを抑えるためにTTC製スイッチを採用していると説明する。コストダウンを実現するためにはしかたのない部分かもしれないが、この点は少々残念ではある。
キー配列は有線メカニカルキーボードのK835とほぼ同じだが、一部キーの表記が変更されている
コストダウンのため、中国TTC製の赤軸(リニア)スイッチを採用。キーボードバックライトも非搭載。それでも最大5,000万回と耐久性は申し分ない
また、MX MECHANICALや、ゲーミング向けメカニカルキーボードなどにも搭載されている、キーボードバックライトも非搭載となっている。このあたりもコストダウンを実現するためのものと考えていいだろう。
とはいえロジクールは、コストダウンするからといって、品質は低下させたくないとのことで、採用にあたっては打鍵テストを実施するなど厳密な品質チェックを行い、独自の品質基準をクリアするスイッチを採用したという。K855のスイッチは最大5,000万回の耐久性を備えているそうで、これだけの耐久性があれば安心して長期間利用できるはずだ。
○ストロークは深くても軽快なタイピング!
メカニカルスイッチの軸は、K835では赤軸と青軸(クリッキー)が用意されていたが、K855では赤軸(リニア)のみとなっている。打鍵感は、赤軸らしいリニアなものとなっていて、スムーズかつ高速なタイピングが可能。
キーピッチは19mmフルピッチ。キーストロークは4±0.4mmで、ロープロファイルの軸を載せるMX MECHANICALよりも1mmほど深い。実際にタイピングしてみても、しっかり押し込むようにタイピングする必要があると感じる。
ただ、赤軸なので明確なクリック感がなく、軽いタッチでタイピングできるので、ストロークは深くてもかなり軽快にタイピングできるという印象だった。もちろん、メカニカルスイッチらしく確実なタイピングができる点も、とても心地がいい。
打鍵音は、メカニカルスイッチが赤軸ということもあって、スイッチが発する音はほぼないが、キーが底打ちするときのカチカチという音は比較的大きい印象。MX MECHANICALのような静音仕様とはなっていないようで、打鍵音はやや大きいと感じる。メカニカルキーボードを操作しているという印象は強いが、個人的にはもう少し静かな打鍵音だと良かったと感じた。
ストロークは4±0.4mmとなかなかの深さだが、赤軸のため軽いタッチで軽快にタイピングできる。ただキーが底打ちする時の音はやや大きい
短い文章入力でタイピングを試してみました。軽いキータッチで軽快に打ち込むことができます。底打ちの音は一般的なメカニカルキーボードと同じ程度には鳴る印象でした ※音が出ます
○ファンクションキー列に機能キーを搭載
ファンクションキー列は、標準では先に紹介したペアリング機器を切り替えるEasy-Switchボタンや、絵文字機能、音声認識機能の呼び出しなども加えたメディアコントロールボタンを配置。もちろん、標準でファンクションキーを有効とすることも可能だ。
近年のロジクール製キーボード同様に、ファンクションキー列はペアリング機器を切り替えるEasy-Switchボタンや、絵文字機能、音声認識機能の呼び出しなども加えたメディアコントロールボタンを配置
オリジナルアプリ「Logi Options+」を利用することで、メディイアコントロールボタンの呼び出し機能を自由に変更可能
このメディアコントロールボタンは、近年のロジクール製キーボードで広く採用されているものと同じだが、現代のPCの使い方を反映したもので、それら機能をよく使う人にとっては便利なはずだ。
合わせて、オリジナルアプリ「Logi Options+」を利用することで、メディイアコントロールボタンの呼び出し機能を自由に変更可能なので、ユーザーそれぞれが自分の使い方に合わせて便利に機能をカスタマイズできるのも嬉しい部分と言える。
あらかじめ用意されている機能を選択したり、キーボードショートカットも登録できる
ファンクションキーを標準として設定し利用することも可能だ
○安価なワイヤレスメカニカルキーボードとして魅力的な存在
K855は、ワイヤレスメカニカルキーボードとしてはかなり安価な製品だ。メカニカルスイッチはサードパーティ製で、バックライトを搭載しないなどコストダウンの影響が随所に見られるのも事実だ。しかし実際に触ってみると、メカニカルキーボードとして申し分ない打鍵感とタイピングのしやすさが実感できる。
個人的には、もう少し打鍵音が静かだと良かったが、メカニカルキーボードとしての完成度はかなり高いと感じた。そのうえで価格は11,550円と安価なので、コストパフォーマンスは非常に優れている。
そのため、これまでメカニカルキーボードを使ってみたくても価格的になかなか手が出なかったという人にとって、魅力的な選択肢になるだろう。基本的には、タイピングの多い人に特にお勧めしたいが、この価格なら万人に十分お勧めできる製品と言える。