家族や友人など、ユーザーが自ら登録した相手の投稿のみが表示されるFacebookがその表示形式に抜本的な改革を加え、友だち以外のユーザーのコンテンツを「おすすめ」として表示するよう計画していることが、内部資料から明らかになりました。

Facebook plans ‘discovery engine’ feed change to compete with TikTok - The Verge

https://www.theverge.com/2022/6/15/23168887/facebook-discovery-engine-redesign-tiktok

ニュースサイトのThe Vergeが入手したFacebook運営元であるMetaの内部資料によると、Facebookは競合相手となるTikTokのような「おすすめ」を積極的に表示する形式へと変更を加えること、単一のアプリとしてFacebookから分離させたメッセージングアプリ「Messenger」を再度Facebookに統合し、同一のアプリとして開発を進めていくことなどが、Metaのアプリ責任者であるトム・アリソン氏によって言及されていたとのこと。

Metaは以前からTikTokの影響を懸念しており、Metaの内部情報から、「TikTokは若者の間でInstagramの2〜3倍使われており、Facebookの人気は急落している」と同社が認識し、TikTokの存在を脅威だと感じていたことが明らかになっています。

MetaはTikTokの主流な使われ方である「尺の短い動画を投稿する」という形式をInstagramに「Reels」として取り入れて巻き返しを図りましたが、2020年には「最もダウンロードされたアプリランキング」でTikTokに初めて首位の座を奪われ、2021年も継続して2位以下にとどまっています。

ついにTikTokがFacebookを抜いて「世界で最もダウンロードされたアプリ」に - GIGAZINE



InstagramはすでにFacebookに先行して、フォローしていないアカウントからの「おすすめ」をより多く表示することを推進していますが、これらは表示全体の約11%に過ぎないとMetaは説明しています。Metaの一部の社員からは「TikTokをまねすることに積極的すぎる」という懸念の声が出ており、「おすすめを表示するというアプローチには、短期的な利益やトレンドを追うことを優先して、中核となる他社との差別化に集中できなくなる本当のリスクがあると思う」などという意見も内部資料に記されていたとのこと。



ただし、このような懸念に対しアリソン氏は「常にユーザーが友人と共有したいものを優先するつもりだ」という考えを持っており、表示形式の改革には慎重なアプローチがとられるものと見られています。