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 コロナ禍でのおうち時間の増加をきっかけに人気に火が着いた調理家電は数多くありますが、そのなかでも特に注目を集めたのが、イワタニの「炉ばた焼き器 炙りや」。これ、自宅で居酒屋のようにろばた焼きが楽しめることで人気の卓上炉ばた機器なのです。

 この「炙りや」で焼き鳥やシーフード、練り物などのちょっとしたおつまみを炙るだけで、アツアツ&美味しく食べられるので、筆者もすっかりお気に入り。しかしその一方で、気になる点も。正直なところ、肉を焼くのには少し火力の心もとなさを感じていたのです。なぜなら、網焼きでは肉がくっつきやすいうえ、焼き上がるのに時間がかかるから。

 何とかうまく肉を焼けないものか…と思っていた矢先、ウィンマックスというメーカーの「ステンレス製 焼肉プレート」に出会いました。イワタニの炙りやシリーズに特化したステンレスプレートで、お値段6980円。割と高いですよね。にも関わらず、Amazonではかなり売れているよう。そこで今回は、その人気の秘密に迫るべく、おうち焼肉で実際に使ってみることにしました。

ステーキ肉がジューシーな仕上がりになる!

プレートは全網タイプと半網タイプの2種類から選べる。写真は全網タイプ

「ステンレス製 焼肉プレート」のサイズは280×180×5.0mm、重量約1.5kg。キャンプに持ち出すにはやや重さが気になるものの、BBQセットを持ち出すことを考えれば許容範囲かなと思います。ちなみにステンレス製なので、最初に鉄板を焼いて匂いを取るシーズニング作業は不要。中性洗剤で洗って水分を拭き取るだけですぐに使えます。

 プレート全体に油を塗って中火で10~15分温め、プレートに水を落としてすぐに蒸発する状態になったら予熱は完了。温まったら弱火にし、油を再度塗れば、食材を焼き始められます。そして、このプレートの実力をまざまざと見せつけられた食材が、ステーキ肉。余分な脂が網目から下に落ちるのがよくわかります。肉がプレートにへばりつくこともなく、短時間で焼き上がりました。

別の食材を焼いた後に使ったので少し焦げが見えるが、網目に沿って焼き目が付くので食欲をソソる仕上がりに

 焼き上がったステーキ肉はめちゃくちゃジューシーで、網でじっくり焼き上げるよりも肉汁が多く残っている印象。また、一緒に野菜も焼いてみたところ、水分が適度に野菜に残った状態に仕上がり、こちらもホットプレートと網焼きの良いとこ取りといった感じ。Amazonでも売れまくっている理由がわかった気がします。

焼肉は網目に落とさないよう注意すべし

網では肉がくっつくのがストレスだったが、この専用プレートならそんなストレスはなし

 お次は焼肉でテスト。味付きのスライス肉や牛タンを焼いていきます。こちらも短時間で火が通り、炙りやのポテンシャルを十分以上に引き出してくれています。これまで炙りやで焼肉をする機会は少なかったのですが、このプレートなら脂がきちんと落ちるので煙が出にくいうえ、肉がへばりつかず、ジューシーに焼き上がるので大満足です。

半網タイプは半分は網目になっていないので、食材に合わせて置き場所を選べる

 ただし、一点注意したいのが、こま切れなど小さめに切った肉や野菜は網の隙間から落ちやすい点です。“半網タイプ”を選べば小さい食材は穴のないプレート部分に置けるので、食材に合わせてプレートを選んだほうがいいかもしれません。

肉を裏返すときに落としやすいので、それさえ気を付ければOK

 とはいえ、半網タイプでも汎用性は十分高いと思います。実際に筆者も細切れの肉を焼きましたが、裏返すときさえ注意すれば問題ありません。

使用後も中性洗剤でゴシゴシ洗えるのが最高!

付属の「3in1リフター」は、網を外したり、汚れを落としたりするだけでなく、栓抜きにもなる

 筆者がとくに気に入ったのは、ステンレス製なので使用後に中性洗剤でゴシゴシ洗えること。付属の3in1リフターで焦げを落として、洗剤や金タワシで洗えるのは大きな魅力です。

 例えばスチール製の場合、ヘラやブラシで汚れを落とした後、油を塗布して新聞紙に包んで保管する必要があるし、水洗いした際にはシーズニングをして水分を飛ばさないとサビが発生します。その点、この「炙りや」専用ステンレスプレートの場合、そうした手入れを考えなくていいので、どんな人にも扱いやすいプレートなんです。

 というわけで、ステンレス製の「炙りや」専用ステンレスプレートは、炙りやをあまり活用できていないと感じている人にピッタリだと判明。おうちやキャンプでの出番を増やしてみては?

●著者プロフィール

今西絢美
「おいしいものナビゲーター」として、調理家電や食に関する記事を執筆。フードツーリズムマイスター、利酒師の資格も持つ。ウェブサービスやアプリのトレンドも絶賛追跡中。