Googleが提供するAndroidスマートフォンでは、FeliCaポートを用いたおサイフケータイや、Google Payなどの決済アプリを使用して、財布を持ち歩く代わりにスマホだけで買い物が可能です。そのようなクレッジとカードを登録することによる支払いやICカードの使用に加え、ワクチン接種証明書や運転免許証の役割まで果たすAndroid向けアプリを、Googleが毎年開催している開発者向け会議・Google I/O 2022の中で「Google Wallet」として発表しました。

Phone, keys... Google Wallet | Google - YouTube





Ask a Techspert: How do digital wallets work?

https://blog.google/products/android/ask-a-techspert-google-wallet/

2015年にアメリカ国内のみでリリースされたAndroid Payは、2018年にGoogle Payに統合され、財布代わりに使用できるほか個人間の送金、イベントチケット、交通機関の乗車券、ポイントカード等として使用可能になっていました。Google Walletはそこからさらに仮想の車のキーとしても利用できたり、他のGoogleアプリと連携してマップや乗換案内を表示したりと、「財布だけではなくポケットやカバンに入れておくさまざまなものの代替になる」とのこと。



Google Walletの告知ムービーでも、大まかな特徴を見ることができます。クレジットカードだけではなく、ポイントカードやギフトカード、乗車券や搭乗券、ワクチン証明書、コンサートやイベントのチケット、運転免許証などの財布をパンパンにするカード類をアプリに収納できたり……



電子ロック可能な車の場合は、車のキーもGoogle Walletに登録できたりと、さまざまな持ち歩くアイテム、複数のアプリに分けて利用していたサービスをGoogle Walletに一元化することができます。



また、大切な物が詰め込まれている財布はチェーンでぐるぐる巻きにしても紛失・窃盗の恐れが拭えませんが……



Google Walletはセキュリティも強力になっていて、Androidスマホ全体のセキュリティを提供するほか、全ての購入は暗号化されてデータ収集されることもありません。



また、カレンダーやマップ、メールといった他のGoogleアプリともさまざまに連携することで、さらに便利な活用も可能とのこと。



Google Walletのプロダクトマネージャーを務めるキム・ドンミン氏によると、「かつてカメラと計算機と携帯電話を持ち歩いていたのがスマートフォンのみを利用すればよくなったように、Google Walletは持ち歩く物を少なくできるものです。また、カードをGoogle Walletに登録する際に金融機関が本人確認を求めたり、他人がアクセスできないようにスクリーンロックをかけたりとセキュリティを強化するほか、紛失してもデバイス検索で見つけ出せるなど、財布を代替するだけでなく『より良い』アイテムとすることができます」とGoogle Walletのメリットを語っています。

さらに、AndroidプラットフォームはどのAndroid開発者もWallet用に使用および開発できるように開かれており、オフィスやホテルの鍵を追加したり、最新のAndroidスマホを所持していない人でもQRコードやバーコードを使用して一部の機能を除きGoogle Walletにアクセスできたりといった広がりを考えているとのこと。

Googleウォレットは40カ国以上で利用できるように予定されており、記事作成時点では日本向けの詳細は「近日公開」と発表されています。