広島駅前に移転が計画されている広島市のこども図書館。移転をめぐり市民から異論も出ています。

中区にあるこども図書館は、全国でも珍しい子どものための独立した図書館です。

小さな子どもの絵本から、児童・生徒を対象にした本まで蔵書は約20万冊、年間20万人以上が利用しています。

こども文化科学館が併設されているほか、そばには庭園があり、楽しく学べるエリアとして多くの人に親しまれています。

しかし、オープンから40年以上が経過し建物が老朽化。広島市は中央図書館などと集約し、広島駅前の商業施設に移転させることを検討しています。

親子「(子ども専門なので)多少騒いでも他のお客さんとか気にしなくてもいいところが(良い)。図書館に来たあと必ず周辺の広場で遊びたがるので遊ばせやすくて助かってます」

親「本を借りて息抜きに外(に出る)というのもいいなと思うんですけど、子どもが幼稚園以上になって平日に(親が)1人で来るとなるとどちらでも。駅前で)買い物ができる方が主婦としては助かります」

広島市は移転先にエールエールA館を選んだ理由として、利用者がアクセスしやすいことや約1万平方メートルのスペースが確保できることなどをあげています。

広島市 松井一実市長「今や共稼ぎというか両方ともが働きに出て、そういった中で公共施設を有効活用していくことをもう一度考えていただく、きっかけにできないかなと思っている。今からまさにお示しして議論をしようとしている」

一方、移転に反対する市民グループは、図書館だけでなく周辺の施設を含めた環境こそが子どもにとって必要だとして、現在地周辺での建て替えを求めています。

移転問題を考える市民の会 吉田真佐枝さん「(科学館で)子どもに分かりやすいところから科学に触れることができて、外の公園では自由に緑の中で遊べるという楽しいコースがある」

子どもの本作家 中澤晶子さん「文化に関わる大事なことに関して全く議論も尽くされてない」

市民グループは今月末まで署名活動を行い、来月の広島市議会に請願として提出する予定です。

また、市民からはこんな声も。利用者「ちなみにここがなくなったとしたら使い道は?」

市によりますとこども文化科学館は耐震化して残し、こども図書館が抜けたスペースには青少年センターを併設することを検討しています。

図書館の再整備については14日までホームページなどで意見を募集していて、今後も議論を続けていくということです。