【ファンキー通信】国によってロスタイムの長さは違う?

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 サッカーの試合において、数々のドラマを生んできた「ロスタイム」。日本サッカー界にとっては、ロスタイムにイラク代表との試合で同点ゴールを決められた「ドーハの悲劇」(1993年)が何よりも印象深い。そんな勝負を大きく左右しかねないロスタイムとは、そもそも、どのようにして計られているのだろう?

 「ファウルや選手交代で試合が一時中断し、その間に費やされた時間がロスタイムです」と語ってくれたのは、『世界のサッカーエンブレム W杯&南米エディション』(エイ出版)などの著者でもある、スポーツライターの斉藤健仁さん。

 「主審がロスタイムを手元の時計で計りながら、終了のホイッスルを吹きます。選手や観客は、ピッチの外にいる第4の審判が表示するロスタイムを見て、目安となる残り時間を知るわけです」(同)

 では、すべては主審にかかっているということですか?

 「そう、主審が絶対です。だからW杯やチャンピオンズリーグの決勝など、大きな試合で主審を務めるにはかなりの経験、技量がないと選ばれません」(同)

 主審によってロスタイムの長さが違ってきたりしないのですか?

 「国際試合ではほとんどありませんね。あるとすれば国内リーグでしょうね」(同)

 イタリアでは長く、ドイツでは短いというような噂を聞いたんですが、これってホントですか?

 「おそらくイタリアが他の国と違っている、ということなのでは? それも2006年5月に発覚したセリエAのユベントスの八百長試合などのスキャンダルが関係していると思います。だから“他の国と比べて特にイタリアはロスタイムが長い”と感じる人が多かったのではないでしょうか」(同)

 上記の八百長試合で審判が同チームに対し有利になるよう判定を下したり、ロスタイムを必要以上に長くとっているのではないかと指摘され、現在イタリアサッカー界は大騒動となっているのだ。

 「良い試合というのは、審判が目立たない試合」という斉藤さん。W杯でもそんな試合に期待したい。(清水憲一/verb)


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