暑い日に食べたい!スパイスコーディネーター 宇賀村敏久さんの「ドライキーマカレー」【今日のおうちカレー #7月27日】

簡単で本格的!ドライキーマカレー

宇賀村敏久/料理人・スパイスコーディネーター
和食の調理人やクリエイティブ制作の現場を経たのち、2年以上スパイスの研究を重ね、 「スパイスコーディネーターマスター」を取得。現在、スパイスカレー専門店「SPICE SPACE UGAYA」を運営する。確かなスパイスの知識と想像力から生み出されるカレーは多くのカレーマニアを虜にし、テレビ、雑誌など多くのメディアで評判となっている。

こんにちは。スパイスカレー専門店「SPICE SPACE UGAYA(スパイススペース ウガヤ)」の宇賀村です。

私がご紹介するのは、簡単に作れてスパイスもしっかり香るキーマカレー。「家庭でお店のようなカレーを作りたい」というリクエストから、入手しやすい食材だけで時間をかけずにできる、お手軽レシピを考えました。

チリペッパーの量を減らせば、辛いのが苦手な方やお子様でも食べられるので、ご家族全員で楽しめます。

ちょっとしたコツやポイントを抑えるだけで格段においしくなるので、この夏にぜひ作ってみてください。

〈ドライキーマカレー〉
調理時間:30分

材料(2~3人分)

・合い挽き肉……300g
・玉ねぎ……1個(150g)
・にんにく……1片 ※チューブタイプで代用可
・しょうが……1片 ※チューブタイプで代用可
・クミンシード……小さじ1杯
・シナモン……1本
・水……250cc
・ホールトマト缶……200g ※イタリアントマトがおすすめだが、ほかの種類やフレッシュトマトでも可
・ヨーグルト……100g

a. クミンパウダー……小さじ1杯
a. コリアンダーパウダー……小さじ1杯
a. ターメリックパウダー……小さじ1/2杯
a. チリペッパーパウダー……小さじ1/2杯 ※辛くない分量で
a. カルダモンパウダー……小さじ1/2杯 ※なくても可。お好みで
a. ガラムマサラパウダー……小さじ1杯

・ココナッツシュレッド(乾燥ココナッツの細切り)……適量
・ウスターソース……大さじ1杯
・ケチャップ……大さじ2杯
・砂糖……ひとつまみ
・塩……適量
・ごはん……適量
・卵黄……1個
・パクチー……適量
・サラダ油……大さじ3杯

コツ・ポイント

あらかじめ材料を準備してから調理する。テンパリングは丁寧に!

スパイスや食材は適切なサイズにカットして計量し、すべてそろえてから調理をはじめましょう。食材を探すために火を止めたり、スパイスを入れるタイミングがずれたりすると、味が変わってしまいます。

ホールスパイスのクミンシードとシナモンは、入手できるならぜひ使ってください。テンパリングで油に香りを移すことで、味わいがぐっと深くなります。

テンパリングはカレー作りの超重要工程!強火にかけてしまうと香りと風味が飛んでしまうので、スパイスを大切に、強すぎない熱でじっくりと火を入れることがポイントです。

またココナッツシュレッドを加えると、トマトの酸味が抑えられてカレーになじみ、サクサク食感とクリーミーな甘さが加わります。味がとてもまろやかになり奥行きが出るので、ぜひ試してみてください。

作り方

下準備

・スパイスを計量し、ホールスパイス(クミンシード、シナモン)、ガラムマサラ以外のパウダースパイス、ガラムマサラの3つに分けておく

下ごしらえ

・玉ねぎを粗みじん切りにする
・にんにくしょうがをみじん切りにする
・ホールトマト缶を手でつぶす
・そのほかの材料をすべて、調理できるように計量してそろえる

1. テンパリング(スパイスの香りをオイルに移す)をする

フライパンにサラダ油を熱し、シナモンを入れて焦げないように弱火にかけます。香りがたってきたらクミンシードを加え、そのまま弱火でゆっくりと香りを油に移します。

テンパリングは、おいしいカレー作りの秘訣なので、もしここでスパイスから焦げた匂いがしたら、思い切って始めからやり直しましょう。

2. にんにくとしょうがを加えて炒める

さらに香りがたったら、跳ねを避けるために火から外して油の温度を少し下げ、にんにくとしょうがを加え、再び弱火に戻します。

3. 玉ねぎを褐色まで炒め、コクと甘さを引き出す

にんにくとしょうがの香りがたったら、みじん切りの玉ねぎを入れてよく混ぜ、玉ねぎから水分が出やすいように、塩をひとつまみ加えます。

強火にして3分ほど放置する、よく混ぜる、2分放置する、よく混ぜる、1分放置する……これを繰り返します。このときに、多少焦げ目が付いても問題ありません。

さらに、水50ccを加えて水分が飛ぶまで混ぜながら炒めます。水分がなくなったらまた50cc加水し、再び水分が飛んで全体が濃い褐色になるまで混ぜながら炒めます。慣れてきたら、もっと濃いチョコレート色まで炒めて甘みを出すのもおすすめです。

4. トマトとヨーグルトを加える

手で潰したトマトを加え、水分が減ったらヨーグルトを加え、ダマにならないようによく混ぜます。

ヘラなどでフライパンの底が見えるように食材をどかしたときに、食材から水分が流れなくなる程度まで、水分を飛ばして炒めます。

5. パウダースパイスを加えて香りを出す

弱火にし、ガラムマサラの半量を残して、それ以外のパウダースパイスを入れます。よく混ぜながら弱火で2分ほど炒めて、香りを出します。

6. ひき肉を加えて炒める

ひき肉を加えて強めの中火にし、ペーストとよく混ぜながら、お肉から透き通った脂が出るまで3~5分ほど炒め、ひき肉と油にしっかりスパイスの香りを入れます。

ココナッツシュレッドを加え、全体をさっと混ぜてなじませます。

7. 調味料を加える

中火にして、コク出しのための砂糖ひとつまみ、ケチャップ、ウスターソースを入れ軽く炒めます。

8. 塩とガラムマサラで味を調える

フライパンに水150ccを入れ、蓋をして2分~3分煮ます。

火を止めて塩で味を調え、スパイシーさを加えるためにとっておいた残り半量のガラムマサラを入れ(追いガラム)て、混ぜ炒めます。

9. トッピングをして盛り付ける

器にごはんとキーマカレーを盛り付け、一番上に卵黄、まわりにパクチーをあしらったら完成です!

暑い夏にぴったり!豆腐や野菜でアレンジもおすすめ

キーマカレーはさっぱりといただけるので、暑い夏にぴったりです。テンパリングで丁寧に引き出したスパイスの香りを味わってください。

また、今回はお肉だけの基本レシピを紹介しましたが、ほかの具材を加えてアレンジするのもおすすめ!ナスや細かく切ったレンコン、ごぼうなどお好きな野菜を追加したり、お肉の代わりに水気をきった豆腐を入れたりすると、また違った味わいのカレーに変身します。

何度も作ってアレンジしながら、ご家庭のスペシャルなキーマカレーを楽しんでください!

文/宇賀村敏久
企画・編集・写真/macaroni 編集部