『太陽は動かない』より。南沙良演じる、主人公・鷹野の同級生・菊池詩織

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 藤原竜也主演の映画『太陽は動かない』(3月5日公開)で藤原演じる秘密組織の凄腕エージェントの初恋の相手を演じる南沙良。2022年放送の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源頼朝の娘・大姫役に抜擢されたことも記憶に新しい南が、本作では殺伐とした世界観のなか、唯一の癒やしの存在としてまばゆい輝きを放っている。

 本作は、『悪人』『怒り』など映像化が相次ぐ人気作家・吉田修一のサスペンス小説を、『海猿』『MOZU』などのヒットメーカー、羽住英一郎監督が映画化。組織への忠誠のため心臓に爆弾を埋め込まれたエージェント・鷹野(藤原)と相棒の田岡(竹内涼真)らが、次世代エネルギーに関する極秘情報を巡って各国のエージェントたちと命がけの頭脳戦を繰り広げる。

 南が演じるのは、鷹野の高校時代の同級生・菊池詩織。高校3年生の2学期にワケあって東京から鷹野が暮らす南蘭島へ転校し、同じく過去に傷を持つ鷹野と心を通わせていく、という役どころだ。南は、若かりし鷹野を演じた新人の日向亘と共に、作品の情緒的なパートを担った。

 詩織は鷹野、親友の勇次(加藤清史郎)らを魅了する美少女で、「ここよりいい場所」を夢見てつらい現実を生き抜こうと励まし合う鷹野とのひそやかな交流が見どころ。南は、羽住監督から「この映画で唯一の癒しが島のシーン」と言われていたという。鷹野がエージェントになる前の思い出で、一日生き延びるのがやっとという非情な世界を生きる鷹野にとって、最も幸福だった時代と言えるかもしれない。

 南は映画『幼な子われらに生まれ』(2017)『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018)などで注目を浴び、『無限ファンデーション』(2018)『もみの家』(2020)などの主演映画が立て続けに公開。先ごろNHKで放送されたドラマ「六畳間のピアノマン」では地下アイドルの顔を持つ女子高生を好演していた。今後、映画『ゾッキ』(4月2日公開/竹中直人監督・山田孝之監督・齊藤工監督)、Netflix映画『彼女』(4月15日配信)などを控えている。(編集部・石井百合子)