“ルリ子劇場”を繰り広げる明日海りお

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 杉咲花がヒロインを演じるNHKの連続テレビ小説「おちょやん」(月〜土、NHK総合・午前8時〜ほか)で、元・宝塚歌劇団「花組」トップスターで女優の明日海りおが存在感を示している。

 本作は、大阪の南河内の貧しい家に生まれた竹井千代(杉咲)が芝居の世界に飛び込み、やがて上方を代表する女優となっていく波乱万丈な人生の物語。放送中の第10週では、千代が新しい喜劇の一座「鶴亀家庭劇」のメンバーとして、旗揚げ公演に挑む姿が描かれる。

 明日海が演じる高峰ルリ子は、「鶴亀家庭劇」の座員として登場。東京新派劇の花菱団でトップを務めた女優で、大山鶴蔵社長に頼まれて喜劇をするために東京から来たという役どころだ。一昨年、宝塚歌劇団を退団して、女優として新たなスタートを切った明日海の境遇に似ていることから、放送前からファンの間で話題となっていた。

 8日の放送回にはルリ子がカメラを見つめながら身の上話を語るという一幕があった。一座のメンバーも、ルリ子の視線に困惑しながらみんなでカメラを見つめた。まるで一人芝居でも始まったかのようで、撮影現場では“ルリ子劇場”と呼ばれ、大いに盛り上がったという。

 先週の初登場の際から、他の誰かが話していようがいつもカメラ目線である姿勢や目力が反響を呼んでいたルリ子。プライドが高く喜劇を馬鹿にしながらも、劇中劇の稽古が始まると目の色を変えて芝居をするほどプロ意識が高い彼女が、個性的な座員たちと今後どう交わっていくのだろうか。そして千代にあたりが強い理由が、今週の放送で明らかになる。どんな過去があり、なぜ花菱団でトップを務めた女優が道頓堀まで来たのかも気になるところだ。

 明日海は1985年生まれ、静岡県出身。2003年に宝塚歌劇団に入団し、2014年に「花組」トップスターに就任後、5年半にわたって活躍した。2019年の退団後は女優として舞台、映像を問わず活動の場を広げている。「おちょやん」のほか、ドラマ「青のSP(スクールポリス)−学校内警察・嶋田隆平−」(カンテレ・フジテレビ系)に出演中。(山田貴子)