絶賛上映中のアニメ「銀魂」にも登場する「万事屋(よろずや)」とはどんなお仕事?

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前代未聞の興行収入を叩き出した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に続き、同じ「週刊少年ジャンプ」で連載していた「銀魂」が絶賛上映中です。

この記事では、江戸のかぶき町を舞台とする本作にも登場し、主人公「坂田銀時」こと「銀さん」がオーナーを務める万事屋(よろずや)について簡単にみていきましょう。

SF時代劇「銀魂」とは?

銀魂」は、SF時代劇のため「天人(あまんと)」と呼ばれる異人が出現するほか、歴史人物の名前をもじったキャラクターたちも数多く登場。

史実とは違う立ち位置でストーリーを繰り広げます。

よろずやは、「万事屋」ではなく「万屋」

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「万事屋(よろずや)」というのは、「銀魂」の作者である「空知英秋」氏の造語です。

実際の「よろずや」を漢字で書くと、「万屋」。

英語では、「ゼネラル・ストア」と言い、「いろいろな商品を売っている店」という意味になります。

そのため、「なんでも屋(便利屋)」や「何でも引き受ける店」のようなイメージにしたかった空知氏が、「万」と「屋」のあいだに「事」という文字を入れたのだとか。

つまり普通の「万屋」とは、「便利屋」のような店ではなく、「なんでも売っているような小規模店」や「日用雑貨や食料品を売る、小さな個人店」のことを言います。

銀魂」の「万事屋」に近いのは…

余談にはなりますが、江戸時代の稼業で「万事屋」のイメージに近いものを探すと、「口入れ屋(クチイレヤ)」と言えるでしょう。

江戸や明治の時代に職業を周旋していた業者のことで、現代の人材派遣を思い浮かべてもらうとわかりやすいと思います。

高確率で「アウトローな人材派遣」

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人材派遣と言っても「口入れ屋」は、身分のハッキリとしない者の身元を保証して職業を紹介し、稼ぎの一部を紹介料として徴収するのが仕事でした。

そのほか、女性を吉原などへ売り飛ばして儲ける者もたくさんいたのです。

イメージにいちばん近い「口入れ屋」は?

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アウトローな印象が強くなってしまった「口入れ屋」ですが、人材を発掘するなど真面目に仕事をする業者もありました。

また、縁談をまとめたり、豪商の娘の嫁入り先を世話したり、芸者や職人を斡旋したりと、まさに「なんでも屋」的なことをしていた業者もあるようです。

とくに、創始者として伝説となっている「大和慶安」は、患者から婚姻の仲人や奉公人の斡旋を頼まれて忙しくなり、医師を辞めて専業になったとも言われています。

明るいストーリー展開「銀魂」の「万事屋」にいちばん近いのは、「口入れ屋」の別名「慶安/桂庵(けいあん)」の由来とも言われる「大和慶安」の手がけた「口入れ屋」ではないでしょうか?