100歳超えのご長寿さんが食べているものは?健康で長生きするためのオススメ食事法
健康で長生きすることは、誰しもの願いではないでしょうか。その願いを叶えるためには、毎日の食事が重要です。
1日3食を摂ると考えると、1年の食事の回数は1000回以上!その回数分、長生きをサポートするような食事を摂れば、健康長寿につながります。 しかし、どんなものを食べればいいのかわからない方も多いはず。
そこで当記事では、長生きする人は何をどう食べているのか、長生きするために摂るべき食べ物や食事法、1日の献立例をご紹介していきます。
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長生きする人は何をどう食べている?
何をどう食べれば、長生きできる体をサポートしてくれるのでしょうか。ここでは、長生きしている人の食生活に迫ります。
肉などのタンパク質を食べている!
肉、魚、卵、大豆食品などに含まれるタンパク質。このタンパク質を摂ることが、健康寿命を延ばすといわれています。そのことがわかる調査結果をご紹介しましょう。
青汁で知られる食品加工品会社「キューサイ株式会社」(※1)が、100歳以上の元気な方100人に、1日3食、3日間の計9食の食事内容を記録してもらうという調査を行いました。2019年11月11日に発表された結果によると、約9割の食事で、卵や豆腐、肉、魚などのタンパク質をしっかり摂っていたことが判明したのです。
しかしなぜ、タンパク質を摂ることが、長生きにつながるのでしょうか。そもそも人間の体は、血管、臓器、血液、爪、髪の毛など、ほとんどがタンパク質でできています。そのタンパク質は、毎日代謝によって入れ替わるため、タンパク質を摂取しなければ、体を維持することができないのです。
また、タンパク質が不足すると、体力や免疫力の低下につながるとされています。 タンパク質をしっかり摂取することが、長生きできる体作りに役立ちます。
たくさんの種類の食べ物をたっぷり食べている!
「東京都健康長寿医療センター研究所」(※2)によると、長生きしている人ほど、もりもりと食べて、たっぷりと栄養を摂っているのだそうです。これは、栄養状態が悪くなり、一定の水準を下回ると、生存率が低くなるという研究結果から明らかになっているそうです。
また、さまざまな種類の食品を食べている人は、タンパク質やビタミン、ミネラルなど、栄養素がしっかり摂れていて、身体機能や筋肉量の低下リスクが抑えられているというデータもあります。さらに、老化のスピードが遅いということも判明しています。
御年104歳になる話題の「ひいじい」は両方実践している!
『100歳まで元気でボケない食事術』(主婦の友社)(※3)という本に登場する「ひいじい」こと堀江正夫さんは、御年104歳(2020年4月3日現在)。ひいじいの食生活の秘訣は、高齢者に不足しがちな動物性タンパク質をたくさん摂っていること(特に肉)、そして、野菜、乳製品、油脂などのいろいろな食品群を取り入れていることにあるそうです。
ひいじいは、前述した「タンパク質を大いに摂る」、「たくさんの種類の食べ物を食べる」ことを、まさに実践しています。この2つの食べ方は、長生きをサポートしてくれる食事法のひとつだということを、ひいじいが証明しているのかもしれません。
長生きするための健康ポイントと摂るべき食べ物
それでは、長生きのための健康ポイントと併せて、具体的に何を食べればよいのかを解説していきましょう。
■体を維持する
健康な体を維持するためには、タンパク質が必要不可欠です。タンパク質は、血液や筋肉、臓器、骨、皮膚など、体をつくるもととなります。
また、タンパク質は体内でアミノ酸に分解され、分解されたアミノ酸はエネルギー源となり、筋肉量の維持や、免疫力の向上を支える役割があります。
摂るべき食べ物
タンパク質には、動物由来の「動物性タンパク質」と、植物由来の「植物性タンパク質」の2種類あります。
動物性タンパク質は、肉や魚、卵などに含まれており、食べ物からしか摂ることができない「必須アミノ酸」が豊富なのが特徴です。
植物性タンパク質は、大豆や大豆製品に含まれており、脂肪、カロリーが少ないのがメリットです。
良質なタンパク質を摂るためには、「アミノ酸スコア」という指標でスコアが高いものを選ぶとよいでしょう。アミノ酸スコアが高い食べ物には、鶏肉、豚肉、牛肉、卵、牛乳、鮭、鯵、大豆などがあります。
・肉
鶏肉、豚肉、牛肉、いずれもアミノ酸スコアが高いです。なかでも鶏むね肉、鶏もも肉は、必須アミノ酸の1つである「ロイシン」が多く含まれ、筋肉づくりに効果があります。
・魚
体の働きをよくするタンパク質はもちろん、血圧やコレステロールを下げるアミノ酸の「タウリン」、認知症予防にもなるDHAが含まれています。
・卵
タンパク質、ビタミンD、鉄、亜鉛、必須アミノ酸が豊富に含まれ、バランスのよい食材。肉よりも消化吸収がスムーズで、体に負担がかかることなくタンパク質を摂ることができるとされています。
また、黄卵に含まれる抗酸化作用物質「レシチン」は、脳の細胞を活性化させる作用も期待できます。
・牛乳
少ないカロリーで、タンパク質をはじめとした栄養素をバランスよく含んでいるため、生活習慣病を防ぐ効果が期待できます。
・納豆
タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルといった5大栄養素に加え、食物繊維も含まれています。また、大豆イソフラボンには骨粗鬆症予防や悪玉コレステロールを減らし、脂肪の蓄積を防ぐ作用もあるとされます。
■歯や骨を丈夫にする
長生きするには、歯や骨も重要です。日本歯科医師会が運営する「歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」(※4)によると、歯の数と健康寿命には密接な関係があり、高齢になっても、歯が多く残っている人は認知症や寝たきりになりにくく、長生きしているとされています。
また、骨が丈夫な人は、足腰もしっかりしており、骨折や転倒が少ないという研究結果もあるようです。
歯や骨を丈夫にするのに欠かせないのは、カルシウムです。しかし、カルシウムだけで歯や骨は強くなりませんので、マグネシウムもいっしょに摂るようにしましょう。
また、カルシウムの吸収率を上げるビタミンD、ビタミンKと一緒に摂るのもおすすめです。
摂るべき食べ物
歯や骨を丈夫にする食べ物には、どのようなものがあるのでしょうか。
・チーズ
骨や歯のもととなる成分「カルシウム」が多く含まれているものとして、パルメザンチーズやゴーダチーズ、プロセスチーズなどがあります。
・ナッツ類
カルシウムの吸収を助ける働きを持つ「マグネシウム」を豊富に含むのがナッツ類です。小魚とアーモンドのような組み合わせなら、カルシウムとマグネシウムを同時に摂ることができるのでおすすめです。
・ブロッコリー
骨の形成を促す「ビタミンK」、カルシウムの吸収を促進する「ビタミンD」が豊富に含まれています。
■生活習慣病の予防
高血圧や糖尿病、心臓病、脳卒中などの生活習慣病は、患者数が増加傾向にあります。しかし、食事や運動などの生活習慣を見直すだけで改善する可能性もあるため、食生活を正していきましょう。
生活習慣病の予防に作用するとされる栄養素には、食物繊維、EPA(エイコサペンタエン酸)、 DHA(ドコサヘキサエン酸)などがあります。
反対に、気をつけたいのが食塩、動物性脂肪、糖質の摂りすぎです。なるべく控えるようにしましょう。
摂るべき食べ物
生活習慣病の予防をサポートする食べ物には、どのようなものがあるのでしょうか。
・ひじき
食物繊維がたっぷりと含まれており、整腸作用があるため、腸内でつくられる悪玉菌などを体の外へ出してくれます。また、悪玉コレステロールを下げる作用もあるとされます。
・いわし
脳血栓や心筋梗塞の予防、中性脂肪を減らす「EPA」が多く含まれています。
・まぐろ
「DHA」がたっぷり入っており、血液をサラサラにして動脈硬化を予防する作用があるといわれています。
■アンチエイジング対策
体を酸化させる原因のひとつ「活性酸素」。これが体のなかにたくさんあると、老化の促進に作用するとされています。
活性酸素の発生を抑える栄養素には、ビタミンA、C、E、カテキン、 ポリフェノールなどがあります。さまざまな食べ物からこれらの栄養素を摂るとよいでしょう。
摂るべき食べ物
アンチエイジングをサポートする食べ物には、どのようなものがあるのでしょうか。
・お茶
ポリフェノールの一種である「カテキン」は、ガン予防や殺菌作用、悪玉コレステロールを減らす作用があるとされています。
茶葉は粉末にして飲んだほうが、カテキンを多く摂取できるようです。
・アボカド
「若返りのビタミン」とも呼ばれるビタミンE。活性酸素発生の抑制に加え、高い抗酸化作用を持つとされています。
また、血液をサラサラにする作用が期待できるオレイン酸やリノール酸も含まれており、動脈硬化の予防や高血圧予防にもつながるといわれています。
・鮭
ビタミンEの1000倍ともいわれる抗酸化作用を持つとされる「アスタキサンチン」が含まれており、老化を防ぎ、美肌作用も期待できます。
長生きするための食事法
気をつけたいのは食べ物だけではありません。食事法にも注目する必要があります。ここでは、長生きするための食事法のポイントを解説していきましょう。
規則正しく食べる
食事は1日3食、毎日同じ時間に摂ることが大切です。「それって、普通のことじゃない?」と思う人もいるかもしれません。しかし、この規則正しい食事に長生きの秘訣があるのです。
健康で長生きするためには、1日の活動による消費エネルギーと食事からの摂取エネルギーのバランスが重要となります。1日3食食べることで、活動に必要なエネルギーや栄養素をしっかりと補うことができるのです。
また、決まった時間に食事をすると、生活リズムを整えられ、食事と食事の間が空きすぎることによって、起こりがちな食べ過ぎも防ぐことができます。
バランスよく食べる
いろんな種類の食べ物を食べ、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。とはいうものの、バランスよく食べるのは案外難しいもの。
そこで参考にしてほしいのが、厚生労働省と農林水産省が策定した「食事バランスガイド」(※5)です。この「食事バランスガイド」では、「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つのグループをベースに、何をどれだけ食べたらいいのかがわかりやすく示されています。
各食べ物のグループの1日分の目安量は、下記のとおりです。
主食(ごはん、パン、麺類)
ごはん中盛りを4杯程度
副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)
野菜料理5皿程度
主菜(肉、魚、卵、大豆料理)
肉、魚、卵、大豆料理から3皿程度
牛乳・乳製品
牛乳1本程度
果物
みかん2個程度
これを目安に食事をすると、健康で豊かな食生活を実現できます。
しっかり満足するまで食べる
中高年の食生活は、同じものばかり食べる、コンビニ食や出来合いの物で済ませる、食事の回数を減らすなど、食事内容が偏り単調になる傾向があります。そうなると、様々な栄養素がしっかり摂れず、「低栄養」になってしまう可能性もあります。
低栄養の状態でいると、体の抵抗力が低下し、病気にかかりやすくなることも。 健康長寿を望むなら、痩せすぎている人は、摂取カロリーをやや増やしたほうがよいでしょう。
反対に、肥満傾向にある人は、摂取カロリーを制限しながら様々なものをバランスよく食べるようにしましょう。
「農林水産省」(※6)によると、基本形とされる摂取カロリーは、 成人女性:1,400〜2,000kcal 成人男性:2,200kcal ±200kcal です。ただし、身長や体重、生活スタイルによって、摂取カロリーは変わってきますので、一応の目安としてください。
低栄養にならないように、摂取カロリーも考えながら、自分が満足できるよう工夫して食事をするようにしましょう。
長生きするための食事法・1日の献立例
ここでは、長生きのための体づくりをサポートしてくれる、1日の献立例をご紹介します。毎日の食事の参考にしてみてください。
朝は、和食の朝ごはんを
朝食べたいのは、和食を基本とした一汁三菜がおすすめ。タンパク質をしっかり摂って、1日の活力にしましょう。
朝食のメニュー例
・豆腐とわかめのお味噌汁
・ご飯 ・焼鮭
・ほうれん草のおひたし
・ぬか漬け
・りんごヨーグルト
昼は、食べやすい単品メニューに野菜や果物をプラス
お昼ご飯には、そばやうどんなどの麺類、カレーや丼などの単品メニューが手軽で便利です。そういったメニューを選ぶ場合には、具沢山なものを選ぶと、栄養が偏りません。
また、不足しがちな栄養素は、肉や魚、サラダや野菜のおかず、果物などで補うのがポイント。栄養バランスがよくなるように食事しましょう。
昼食のメニュー例
・肉そば
・納豆チャーハン
・きんぴらごぼう
・みかん
夜は野菜多め、ご飯は少なめに
夕ご飯もバランスのよい食事を心がけましょう。肉や魚のメイン料理でタンパク質を、副菜などで野菜を多めに摂取するといいでしょう。
ご飯などの糖質を少なめにして、様々なおかずを食べるのがおすすめです。お酒は飲んでもOKですが、1〜2杯を目安にしてください。
夕食のメニュー例
・豚肉の生姜焼き
・たこときゅうりのマリネ
・野菜ときのこのスープ
・ご飯
・焼酎のお湯割り
長生きできる食事法を今すぐ始めよう!
長生きできる食材・食事法をご紹介しました。すぐに実践できることばかりですので、毎日の食事に取り入れましょう。
参照サイト:
(※1)2019年度版 元気な100歳100人に聞いた長寿の秘訣-キューサイ
(※2)食生活に要注意 −高齢者の低栄養はキケンー-東京都健康長寿医療センター研究所
(※3)104歳スーパー「ひいじい」が毎日食べている秘伝の長寿食とは? - 主婦の友社
(※4)8020現在歯数と健康寿命 - 日本歯科医師会
(※5)「食事バランスガイド」について:農林水産省
(※6)一日に必要なエネルギー量と摂取の目安:農林水産省
[文:HOWZAP 【ハウザップ】 ライザップが運営するボディメイク情報マガジン)]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。