日焼けベッドを使用し身体の80%に熱傷を負った女性(画像は『Metro 2020年3月23日付「Medical student fighting for life after using tanning bed for 15 minutes」(Picture: east2west)』のスクリーンショット)

写真拡大

ロシアの首都モスクワの大学に通う18歳の女性が、休暇で訪れたリゾート地の日焼けサロンで身体の80%に熱傷を負った。サロンでの日焼けベッドの利用時間は15分だったが、女性は店を出てしばらくしてから全身の皮膚に水膨れができて発熱し、ショック状態で病院に搬送されたようだ。『The Sun』『Metro』などが伝えている。

人工的に紫外線を当てることで肌を焼く「日焼け用ベッド」は、今から15年前に世界保健機関(WHO)が18歳未満の使用を禁じる警告を出し、2009年にはWHOの国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer、IARC)が発がん性があることを指摘している。それ以降、日焼け用ベッドの使用に関しては、年齢制限だけでなく照射量や照射時間の管理の強化、ゴーグルの使用など各国が独自の規制を設けているが、いまだにサロン任せの国も多い。

そんななか、ロシア・クラスノダール地方で日焼けサロンを利用した18歳のエリナ・ノソバさん(Elina Nosova)が全身の80%に熱傷を負い、警察が調査に乗り出している。

エリナさんは家族との休暇中でリゾート地ソチのホテルに滞在しており、日焼け用ベッドを15分間利用していた。サロンでエリナさんが支払ったのは約420円(3.25ポンド)で、かなりお得な価格だったようだ。

エリナさんの母イリナさんは、当時の様子を次のように語っている。

「サロンから帰ってきた娘の身体の動きが、どこかぎこちないことに気付いたのです。また黄色い顔をしていたので『何か、絵の具でも塗ったの?』と聞いたほどです。でも近づいてよく見ると娘の顔や耳、そして首の至るところに水膨れができているのがわかりました。」

「エリナはその後、立っていることもできなくなって発熱し、病院に緊急搬送されました。そこで医師に『彼女は生きたまま油で揚げられたようなものですよ』と言われました。エリナは全身の80%に熱傷を負っており、集中治療室に入院することになったのです。」

地元警察は、日焼け用ベッドの説明は十分行ったのか、誤操作はなかったのか、機械の管理に問題はなかったのかなどを含め調査を開始したようだが、サロンのマネージャーは「日焼け用ベッドを初めて使用する女性の照射時間は5分です。エリナさんからあの日が初めての利用だということを聞いていたら、時間を15分に設定することはありませんでした。また日焼け止めや胸部を覆うカバーが必要かどうかも尋ねましたが、エリナさんの答えは『ノー』でした。サロンを去る時は喜んでいましたよ」と語っており、店側に過失はないと主張しているようだ。

なおエリナさんはシベリア西部トムスク出身で、モスクワのピロゴフロシア国立研究医科大学(Pirogov Russian National Research Medical University)に通う医学生だという。

画像は『Metro 2020年3月23日付「Medical student fighting for life after using tanning bed for 15 minutes」(Picture: east2west)』『The Sun 2020年3月23日付「SCARRED FOR LIFE Student suffered horrific 80% burns all over her body after 15-minute sunbed session costing £3.25」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)