閉廷後、東京地裁から出てきた沢尻被告を乗せたとみられる車

「被告は19歳のころから、大麻・コカイン・MDMAを服用するようになった」

 1月31日に、東京地裁で開かれた沢尻エリカ被告(33)の初公判。検察側は冒頭陳述で、そう述べた。

 2019年11月16日にMDMAを所持したとして逮捕されて以来、2カ月半ぶりに姿を見せた沢尻。当日の傍聴希望者は、2229人だった。

 逮捕直後から取調べに対し、10年近い薬物使用歴を供述していたが、今回、彼女の14年にわたる “クスリ漬け” 状態が明らかにされた。とくに使用歴が長かったのは、大麻だ。

 本誌は逮捕直後に、「沢尻が18歳から “大麻中毒” だった」という元モデル女性(30)の証言を報じている。同じ事務所の後輩だった彼女は、沢尻が人気男性アイドル・Xと、目の前で大麻をキメた様子をこう話す。

「エリカ先輩とXくんは、エリカ先輩の部屋でしょっちゅう薬物に手を出していました。クスリがまわると、すぐに目の前でいちゃつきだし “イイ感じ” になるので、『帰るね』と言って私は部屋を出ました」

 裁判でも、弁護側の証人だった沢尻の担当医が、「大麻の軽い依存症があった」と証言。本誌が報じたとおり、若いころから大麻に溺れていたことが、証言からはうかがえた。

 じつは、今回の裁判で、しっかりした口ぶりで陳述を続けていた沢尻が、“弱み” を見せた場面があった。

 検察官から、薬物の使用をやめられなかったことについて質問された沢尻は、少しずつ時間を使いながらも、こう陳述した。

「いつでもやめられると思っていたのが大きな間違いでした」
「悪の誘惑を断つことができませんでした」
「コントロールできるという自分の考えが、甘い考えだと思います」

 だが、「なぜ甘い考えを抱いていたの?」とさらに検察官に追及されると、40秒近く沈黙してしまったのだ。

 必ず聞かれるはずのこの問いに、意外にも、彼女は答えることができなかった。立ち往生した女優・沢尻エリカの姿に、法廷内は一気に緊張したーー。

 刑事事件に詳しいある弁護士は、「あの沈黙は、彼女の失敗だった」と話す。 

「薬物依存症は、病気なのです。自身の甘い考えとか、『自分の意志でコントロールできる』とか、そういった考えでは、依存症から抜け出すことはできません。あの沈黙によって、“私はなんとかなる” という甘い認識が、露呈したと思います」

 沢尻はさらに、これまでの過ちについても、交友関係と結びつけて、「薬物が繫いでくれた偽りの友情から、抜け出すことができませんでした」と語っている。

 真の更生のためには、法廷でもどこか “他人事” な現状認識を、沢尻みずからが変えていかなければならないはずだ。

(週刊FLASH 2020年2月18日号)