AFX通信によると、小泉首相は27日、記者団に対し、与謝野経済相が26日のNHKの番組で、日本経済が深刻なデフレを脱却したと述べ、日銀の量的緩和政策の解除を容認する発言をしたことについて、「まだ、日本がデフレを脱却したとは言えない」と述べ経済相の見解に異論を示す一方、ゼロ金利政策の解除をめぐっては、日銀の判断を尊重する意向を示した。

　　市場では、与謝野大臣が、日銀が示している3つの条件が整えば、日銀が現行の金融政策を終わらせる決定してもいいのではないか、と述べたこともあり、早ければ来週に予定されている日銀の金融政策会合、または、4月までに日銀が資本市場で過剰流動性資金の吸収に踏み切るとの観測が広がり、年内にはゼロ金利政策を解除するとの見方が強まった。27日の為替相場では、与謝野発言を受けて、円は対ドルで一時、1カ月ぶりの新高値を付けた。

　　一方、安倍晋三官房長官は同日、記者団に対し、デフレ脱却に向けて、進展しているが、緩やかなデフレが続いているという我々の認識は変わっていない、と述べた。

　　財務省が発表する消費者物価指数は昨年11月と12月に2カ月連続で上昇しており、デフレ脱却の傾向が示されている。同省は3日、1月の消費者物価指数を発表する予定で、市場では引き続き上昇傾向が続くと予想している。【了】