主役はREV-9!?『ターミネーター:ニュー・フェイト』キャスト直撃インタビュー

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生みの親であるジェームズ・キャメロンが製作・原案に携わった、1984年の『ターミネーター』、1991年の『ターミネーター2』に続く正統な続編『ターミネーター:ニュー・フェイト』。本日より公開中の本作ではアーノルド・シュワルツェネッガー(T-800役)とリンダ・ハミルトン(サラ・コナー役)が28年ぶりに共演したことも話題だが、3人のニューフェイスも彼らに負けない存在感を放っている。そんな新メンバーのマッケンジー・デイヴィス(グレース役)ナタリア・レイエス(ダニー・ラモス役)ガブリエル・ルナ(REV-9役)を直撃! マーベルドラマ『エージェント・オブ・シールド』のゴーストライダー/ロビー・レイエス役でおなじみのガブリエルと、『ホルト・アンド・キャッチ・ファイア 制御不能な夢と野心』のキャメロン・ハウ役で知られるマッケンジー、そして本作が本格的なハリウッドデビューとなるナタリア。人気シリーズに新たな息吹を吹き込んだ秘訣とは?

――みなさん、これが初来日だそうですね。

マッケンジー:ずっとこの瞬間を待っていたの。日本にはずっと来たいと思っていたから。温かい歓迎をありがとう。

ナタリア:私がどのくらいワクワクしているか、言葉では表現できないくらいよ。この作品を日本のファンに見てもらうのが待ちきれないし、日本の文化も食事も大好きなの。

ガブリエル:妻にどこへ行きたいか聞かれる度に、日本と答えていたくらい、ここへ来るのは念願だったんだ。実は今回の役には、日本ならではの文化的な要素やあるテクニックを応用しているんだよ。

――『ターミネーター』シリーズに参加したご感想は?

ガブリエル:新しいメンバーの一員として言えることは、本当に夢が叶ったということ。幼い頃からこのシリーズの大ファンだったからね。有名なバンドであるジャーニーのリードシンガーの後継者をファンが務めたことがあったけど、それと似た気分だよ。僕自身が熱心なファンだからこそ今回の機会を与えられたような気がするし、嘘みたいに思うと同時にとても感謝している。アーノルドとリンダの友情をこの目で目撃できたし、彼らの素晴らしい仕事ぶりを見ているだけでいろんなものを得ることができた。

マッケンジー:ガブリエルに同感よ。このシリーズに参加できたことは、喜び以外の何物でもないわ。アーノルドとリンダが育んできたものを継承する作品でもあるし、彼らと共演できたことは素晴らしい体験だったの。サラ・コナーという闘い続ける女性像に感銘を受けていたから、そんな彼女のストーリーに加われて嬉しかった。それと、VFXやアクションはもちろん、キャラクターを重視するティム・ミラー監督と仕事ができたのも良かったわ。1作目と2作目はキャラクター描写が見事だから、私たちもそれをテンプレートにして作ったの。

ナタリア:私の故郷(コロンビア)から遠く離れた日本でも愛されている、世界的なフランチャイズ作品に出られて光栄よ。今日でもとても有意義なこの作品に参加できて良かった。アーノルドとリンダと一緒に仕事ができただけでなく、彼らの人間性にも触れることができたわ。彼らは自己抑制に秀でている上、自分が持つ影響力を良いことに使おうとしていることに感銘を受けたわ。

――みなさん素晴らしい演技を披露されていましたが、役に説得力を持たせるために、どんなことをされましたか?

ガブリエル:いい質問だね。

マッケンジー:キャスティングが絶妙だったというのも大きかったと思うわ。キャラクター同士のケミストリーは作ろうとして作れるものではないから。特に今回の撮影はとても過酷で、夜間撮影が1カ月半に及んだし、あまり眠れなかったり、体調を崩したりもしたの。共演シーンの多かったナタリアやリンダとの間に敬愛の気持ちがなければ、これまでで最もつらい現場になるところだったから(苦笑) みんなで撮影中に実際に助け合って楽しい時間を過ごすことができたからこそ、地に足の着いた演技ができてリアリティが生まれたのだと思うわ。

ナタリア:このシリーズに参加できてとても幸運だったし光栄よ。ラテン系の女優である私が人気シリーズで重要な役どころを演じることは、ハリウッドでダイバーシティが進んでいることを示すことでもあるし、ハリウッドは世界で起きている変化をもっともっと見せていくべきだと思うの。本作に登場する3人の女性たちは三者三様なのよね。身長はもちろん、バックグラウンドや出身地も異なる。でも互いに愛情を持っている。本作は多様性を祝福する作品になっていると思うわ。

ガブリエル:マシーンを演じる僕にとっては、特定の目的達成のため常に攻撃モードで突き進むだけということで、肉体作りでもメンタル面でもどうすればいいかが明確だったんだ。人間を演じるのと違って、マシーンだから回り道をしたりせず目標に真っすぐ向かうだけだ。ただ、感情を表現するわけではないから、他のキャラクターに脅威を与えられるような雰囲気を出すために、持っているスキルを活用してトレーニングも行ったけど、それ以外では動いている時でもいない時でも、REV-9がずっと周囲を観察して状況を計算していることが見て取れるようにしたよ。これは演技そのものにも通じることだと思うけど、これほどまでに集中力を要したことは過去になかった。観客にもそのあたりが伝わってくれればいいね。


――新たな登場人物であるあなたたち、グレース、ダニー、REV-9はそれぞれ主役と言ってもいいほどの存在感を放っていますね。もしかして撮影中、ミラー監督から「君がこの作品の主役なんだ!」と言われたりしていたのですか?

ガブリエル:主役と呼んでくれてありがとう。観た人たちの4分の1くらいはそう思ってくれると嬉しいね(笑)

マッケンジー:(笑) マインドゲームね。「ナタリアには内緒だけど、マッケンジー、君が主役なんだ」って感じかしら。

ガブリエル:以前リンダが話していたんだけど、シリーズ1作目での彼女とアーノルドは別々の作品を作っているみたいだったそうなんだ。なぜなら、顔を合わせることが少なかったからね。リンダと(カイル役の)マイケル(・ビーン)は一緒に逃げていて、アーノルドは彼女の跡を追っていてという風に、それぞれのパートでストーリーが進行していくから。今回もそれと同じだよ。そういう意味では、僕のパートでは僕が主役だよね(笑) それぞれのシーンと、共演シーンが交互にあり、織物のように紡がれていくんだ。監督からは僕が主役だといったことは何も言われていないよ。とはいえ、ポスターにはタイトルで大きく書いてあるよね。『ターミネーター』って。それって僕のことだよ(笑)

ナタリア:私も監督からそういったことは言われていないわ。彼はとても謙虚で努力家なの。監督の現場で最高なのは誰もが平等だったことよ。アーノルドもリンダもマッケンジーもエキストラも関係なくみんながベストを尽くしていて、エゴとは無縁だったわ。そういう現場を作ってくれた監督に感謝しているの。私たちにはそれぞれ果たすべきミッションがあると思うんだけど、監督はそれがブレないように気を配ってくれたわ。

マッケンジー:ナタリアに同感よ。撮影中は、今日はリンダのストーリーを撮る日といった風にキャストの出番が日替わりになっていたから、やりやすかった。いつか自分の物語をしっかり語れる日が来ることが分かっているし、常に主役級の演技を見せるのは大変だもの。ストーリーの構造がうまかったのもあると思うけどね。

――そういえば、監督は現場で裸足だったとか?

ナタリア:ええ。

ガブリエル:撮影現場の危険性についてのミーティングはあったんだけど、彼は聞いていないんだろうね(笑)

――REV-9はターミネーターならではの、グレースはスーパー・ソルジャーならではの、ダニーはまったく戦った経験がなかったところから戦うようになっていくという3パターンのアクションが必要になるわけですよね。そんなアクションシーンに関して特に印象的だったことを教えてください。

ガブリエル:T-800とサラがある乗り物に乗った僕に向けてグレネードランチャーと火器を使って撃ちまくっている時、"これは僕にとって最も素晴らしい映画体験だ"と思ったね。その撮影で彼らは実際には別のものに向けて撃っていたんだけど。とはいえ、僕がアクションフィギュアを持っていた二人のキャラクターが、自分に向けて銃を撃っているという図はとてもワクワクする瞬間だったよ。

マッケンジー:私自身はこれまでアクション映画に出たことがなかったんだけど、本作はアクションの量が普通よりもかなり多いみたいね。南スペインでハイウェイでのアクションシーンを撮影していた時、1週間ほど経ってついにサラ・コナー役のリンダが現れたの。その時、武器を持ったサラがREV-9を狙う姿が本当に自然で、"私はスクリーンの中に足を踏み入れているんだ"と思ってワクワクしたわ。

ナタリア:アクションシーンを演じるというのは、別の言葉で演技をするようにまったく違う体験だからチャレンジだったわ。特に思い出深いのが、ブダペストで1カ月半くらいかけて撮影した水中のシーンね。午後の6時から朝の6時までずっと撮影していたから、最終日には、私は死ぬんじゃないかってくらいクタクタになっていたの。でもリンダは行くわよ!って感じに元気いっぱいでビックリしちゃった(笑)

――ガブリエルさんの演じるREV-9は非常に印象的でした。撮影前にアーノルドと一緒にトレーニングを行ったりもしたそうですが、ターミネーターを演じる上で何かアドバイスをもらったのですか?

ガブリエル:アーノルドから直接何かを言われるというよりも、彼のやることを見聞きすることが一番のアドバイスになったと思う。あとは、過去作をじっくり見直して、T-800やロバート・パトリックの演じたT-1000がどういう動きをしているのかも研究した。彼らがどういう風に歩くのか、どの角度で頭を動かすのかといったことをね。そうしたデータが撮影時には頭の中に入っていて、そこへ自分の色をどう加えるかという時に、アーノルドは僕が自由にやれる場を作ってくれたんだ。そういう風に周りを応援してくれる人なんだよ。彼は先日アメリカのトーク番組に出た時にも、彼のT-800に比べて僕の演じるREV-9がいかに進化しているかという話をいっぱいしてくれたんだ。周りを立ててくれるのは、すごくアーノルドらしいよね。

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Photo:

ガブリエル・ルナ、マッケンジー・デイヴィス、ナタリア・レイエス
『ターミネーター:ニュー・フェイト』
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