木村文乃 撮影/廣瀬靖士

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「やっと髪が結べるようになりました。ショートも好きだったけど、やっぱり伸ばす方向になりそうです(笑)」

【写真】ロングヘア時代、ショートヘア時代、どちらもキレイな木村文乃

 ついこの前までショートヘアだった髪を意識しながら、とびきりの笑顔をカメラに向けるのは、女優・木村文乃(31)。

 “30代が楽しみでしかたない──”

 20代のころ、しきりにそう言っていた彼女も気づけば31歳となり、

「(30代になって)TPOをわきまえるようになりました。どこに行くにもTシャツ、ジーパンではダメなんだなと(笑)。私、すっぴんでも平気で出かけてしまうんです」

 と、自然体で飾らない人柄が魅力的だ。

 そんな木村がヒロインを務める映画『ザ・ファブル』が公開される。岡田准一演じる伝説の殺し屋の相棒・ヨウコを演じ、髪を染めた派手な容姿で“チャラ男”を酔いつぶしていく姿はまるで別人!

「黒髪のままだと自分から離れることができないので、ここは潔く会社に“染めます”と。ヨウコはずっとテンションが高いので、エンジンを切らさないようにするのが大変でした。私とは全然違うタイプなのに、なぜか嫌いになれない。なんでだろう? と思ってたら、友達に話し方や振る舞いがヨウコにそっくりな子がいたんです」

岡田准一の意外な一面

 激しいアクションも見どころで、特に主演の岡田の高すぎる身体能力には現場スタッフも驚愕(きょうがく)。だが、“相棒”を演じた木村は彼の意外な一面を目撃していたそうで……。

「寡黙(かもく)な印象があったのですが、健康の話になるとすごく饒舌で、健康アイテムもたくさん教えていただきました。あと、すごいナッツがお好きなんだなと。“お腹すいた〜”ってフラフラとどこかに行ったかと思うと、口元にナッツをつけて戻ってくる(笑)。思わず笑っちゃいました」

 一方、現在公開中の映画『居眠り磐音』では、時代劇に初挑戦。松坂桃李扮する主人公・磐音に思いを寄せる町娘を演じている。

 切なくて泣ける時代劇を、ぜひ女性に見てほしいと木村。

「私はこのお話はたくましく生きる女性の物語だと思っているんです。信じたものが決してブレることのない姿ってすごく理想。私くらいの年代って、結婚や出産など、女性としての生き方に迷うタイミングがたくさんあると思うんですけど、そのままでいいんだって思わせてくれる。そんなメッセージを受け取ってもらえたら」

 30代になったからこそ演じられる役柄も増え、出演作品のジャンルも広がってきた。

「お仕事をいただけるのは、本当にありがたいことです。近年は、年末にマネージャーさんに“来年はもうちょっとゆっくりさせてください”なんてお願いするのが恒例(笑)。こんな幸せなことはないです。いつまでもこれが続くといいな。これからも、どんどん攻めていきたいと思います」

仕事への向き合い方

「目の前にあることをコツコツやっていくこと。これは20代からずっと変わらないです。実は私、目標とか憧れもあまり気にしたことがなくて。ただ守りたい自分の“生活”がある。そこが守れればそれ以上は欲張りにはなれません。例えば私は食を大事にしているので、多少高くても身体のことを考えて新鮮な野菜を選びたい。そんな心の余裕は常に持っていたいですね」

『ザ・ファブル』6月21日(金)全国公開
 どんな相手も6秒以内に殺す、伝説の殺し屋(岡田准一)。そんな彼にボス(佐藤浩市)から“1年間誰も殺さず、一般人として普通に暮らせ”とミッションが。そんな彼は相棒・ヨウコ(木村文乃)と“普通”の生活を送ろうとするが──。