フジマイクロが入居していたビル(帝国データバンク撮影)

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 フジマイクロ(株)(TDB企業コード:260066055、資本金1億円、東京都墨田区江東橋1-16-2、代表丸山忠作氏)は、5月10日に東京地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は長屋憲一弁護士(東京都千代田区平河町2-4-13、NeOパートナーズ法律事務所、電話03-5226-1122)。

 当社は1966年(昭和41年)5月に設立。東証1部上場の(株)アドバネクスが28.2%出資する同社の持分法適用会社。大手電機メーカーなどを得意先に、製造は中国の協力会社に委託する形態で、家電関連やOA機器関連、自動車関連など幅広い業種で使用されるDCブラシ付きモーター、ブラシレスモーター、ギアードモーターなど各種小型精密モーターの開発、販売を主力に、回路設計や電動アシスト付キャリーカートなどユニット製品の販売も展開。開発力を強みに健康機器関連や住宅機器関連のモーターの受注が好調に推移した2008年3月期には年売上高約59億8200万円を計上していた。

 しかし、近年は同業他社との競合が激しく、新規顧客の開拓が進まぬなか、大口案件の失注に加え、製造委託先の中国の協力会社との連携がうまくいかず、納期遅延や品質クレームの多発などにより、2018年3月期の年売上高は約15億9500万円に減少。損益面も4期連続赤字決算が続くなど債務超過額も拡大していた。この間、製造を中国の自社製造子会社から外部の協力会社へ切り替えたほか、中国子会社であるFUJI MICRO GUANGZHOU LTD.に対する資金負担により負債が増加。金融機関に対し借入金の返済緩和を要請するなど経営改善に努めたものの事業継続が困難となり、今回の措置となった。

 負債は約17億円。

 なお、(株)アドバネクスは、当社との取引は無いこと、保有する当社の株式については2015年3月に減損済みで影響はないとしている。また、当社の子会社であるFUJI MICRO GUANGZHOU LTD.およびFUJI MICRO(GUANGZHOU)LTD.は当社の破産手続きの完了をもって(株)アドバネクスの持分法子会社から除外される予定としている。