「ダサイタマ」や「翔んで埼玉」をはじめ、たびたびイジりの対象となる埼玉県。当然海もないし、ヨソに誇れるような一大観光地があるわけでもない――そんな見方をされることもしばしばだ。

しかし、県内ではある程度文化が形成されており、ひとえに埼玉といっても地域によって大きな差がある。


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総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」のツイッターアカウントが投稿したイラストには、埼玉出身スタッフが「独断と偏見まみれ」で考えたという各地域のイメージが描かれている。

意外と合っている

この画像が投稿されたのは、「埼玉県民の日」の2018年11月14日のこと。スタッフの出身地について「ヒント:はにぽん」と書かれていることから、埴輪で有名な本庄市出身のスタッフが投稿したものと思われる。

かなりユルいイラストで、「独断と偏見まみれで考える」との宣言から筆者もプライベートの時間に楽しく見ていた。

しかし、よくよく見ていると思った以上にイメージに合っている。

投稿こそ少し前ではあるが、県民だからこそわかる部分がある良くも悪くも「郷土愛」を感じられるイラストに感銘を受けた。

とくに唸ったのが県東部。筆者が生まれ育ってしまった白岡市は「行ったことない」と記載された緑の地域である。

「埼玉にはなにもない」―― とは言いつつ、小江戸川越や秩父長瀞などの観光地や大宮、浦和の都会もある。しかし、白岡市には驚くほど何もない。白岡に生を受けて「出身地」という重荷を背負うのは筆者の人生において最大の悲劇と言えよう。何しろ県民からして用事ができるようなことがない場所である。

本題に戻そう。このイラストのセンスの良さはその「行ったことない」地域の上だ。北隣にある久喜市を「半蔵門線終点」と表現している。筆者が大学進学を機に千葉県や東京都に多く出かけることになった際、こんな会話が多く交わされた。

「埼玉のどこからきているの?」
「白岡」
「どこ?」
「半蔵門線の終点がある久喜の隣」

シティボーイやサマーボーイにはこの説明が一番手っ取り早い。久喜には様々な魅力があるとわかっていても、説明するとなれば半蔵門線の終点とするのが最も分かりやすい。それを取り上げたセンスには脱帽だ。

このほかにも「高崎線フレンズ」と称された地域が縦に伸びている。これも埼玉県内では東京から延びる鉄道路線ごとに文化が形成されやすくある特徴を端的に捉えたものととれる。

一つ言うならば行田市は「のぼうの城」ではなく、長年埼玉愛を貫いている地元出身のバンド「スターダスト・レビュー」にしてほしかったくらいで、適当そうに見えて芯を捉えている。

イラストの投稿には、

「春日部が聖地になってて、ありがとうございます!!」
「ドンキのツイートで埼玉あるあるがw 神奈川県は県民の日がないので裏山です」

といったコメントが寄せられている。

ドン・キホーテの公式アカウントは17年8月3日に「埼玉県民なんですが、最近ディスられることが少なくて寂しいです。代表でディスってもらっていいですか?」との要望に対し、

「申し訳ありません、埼玉の悪いところが私には見つかりません」

と回答していることから、県民の味方なのかもしれない。