2018年11月11日にツイッターに投稿されたこの画像。よくあるスーパーの店頭をカメラに収めただけに思えるが、よく見ると、ちょっと変わったものが売られている。


ガンタンクもなか(@ttkkn)さんのツイートより

どうみてもお墓で見かけるあの「卒塔婆(そとうば)」にそっくり。スーパーの店頭で堂々と売られている光景は初めて見る。珍しい光景だ。

「日蓮宗の家庭で使われているようです」

投稿者の「ガンタンクもなか」さんによると、これは静岡県富士宮市のスーパー「POTATO野中店」で見かけた光景。しかも塔婆1つ91円という安値にまた驚きだ。

この静岡県東部では、この小さい卒塔婆がよく使われていて、ミニ塔婆や花立(はなたて)塔婆と呼ばれている。地域独特の風習として定着しているようである。

調べてみると、かつてはお墓に竹製の花立を供えていたものが、花の管理に手間がかかるために簡素化されて、小さな卒塔婆を置いていくようになったとのことである。供え主の名前を記入することもでき、故人や近親者にお墓を訪れた人の名前を知らせる意味もあるという。地元の皆さんにとってはごく普通の習慣のようだが、静岡県内でも富士宮市・富士市近辺というローカルぶりに、静岡に住む人々の間でもギャップが生じていたようだ。

POTATOを展開する株式会社株式会社マキヤに事情を聞いてみると、

「このあたりの日蓮正宗や、日蓮宗の家庭で使われているようです」

とのこと。日蓮宗といえば山梨県南部の久遠寺が総本山、日蓮正宗は富士宮市大石寺が総本山であり、信徒も多い地域であることが推測され、やはり彼岸の時期によく売れるという。また写真では、野菜か何かのようにどっさり積み上げて売られていたが、POTATOとしてはごく普通のことだったようで、

「昔から住んでいる人にとっては普通の光景と思っていましたが...」

と、ネット上の反応を意外に感じている様子だった。