日産自動車がEVの選択肢を広げて市場拡大に弾みをつけるべく、栃木工場に数百億円を投じて設備を整え、2020年をめどに高級EVの量産を予定しているそうです。

日経新聞によると、同社は今後多様化するEV需要に応えるべく新型EVを発売する計画のようで、搭載するバッテリー選定や航続距離の設定などを急いでいる模様。

日産は現在、神奈川県追浜工場のほか、米・英国工場で小型EV「リーフ」を生産しており、同車を「普及モデル」、栃木工場で生産する新型EVを「高級モデル」に位置付ける考えのようです。

また富士経済の予測では、2020年代に入るとEVの充電時間を短縮、走行距離を伸ばせる次世代バッテリー「全固体電池」がEVに搭載され、2035年には同電池市場が2.8兆円規模に拡大するとしています。

本年6月には現在主流のリチウムイオン電池に比べ、液漏れの恐れが無く、安全性が高いことから、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)がトヨタ、日産、パナソニック、各大学などと連携して全固体電池の実用化に向け、基盤技術の開発に乗り出すと発表。

リチウムイオン電池が韓国や中国のメーカーに押され、市場シェアが大幅に低下しているため、巻き返しを図るようです。

こうした背景もあり、バッテリーの進化を機に2020年以降、各社からスポーツモデルなどの様々なタイプのEVが登場、充電設備の充実と相まって電動車の普及が足早に進むことになりそうです。

(Avanti Yasunori・画像:NISSAN)

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