安城東vs岡崎北
安城東・藤嶋君
昨年秋の新人戦となった秋季西三河地区予選は2位で通過して県大会進出。その後の、全三河大会では刈谷、豊川といった強豪を下して準優勝を果たした安城東。様々な状況での試合を重ねてきたことで、それが自信となって新しい春を迎えた。
この日の試合では、投手自信はいささか制球を乱すなど不安定さも示したが、打線は積極的にファーストストライクを振って行って、力強さを示した。2回に、4番鈴木 廉君が左翼へのソロアーチで先制すると、さらに和田君の二塁打などでチャンスを作って相手失策も絡んで3点を奪った。
同点とされた直後の3回裏にも、3番杉浦君の三塁線の二塁打から始まって、鈴木 廉君が左前打でつなぐと、けん制悪送球で生還し、四球を挟んで和田君の左前打、押し出しや杉浦君のこの回2本目の二塁打などで大量6点を奪った。これで、試合は安城東の主導権で流れていくようになった。
ただ、得点した次のイニングをぴしゃりと抑えられず、4回も1点を失う。それでも、その裏には8番の藤田 純平君が左翼へ2ランを放ってリードを広げた。出会い頭とは言えジャストミートの本塁打だった。この一打に関して、大原 佳之監督は「あまり確率は高くはないんですけれども、こういうことがあるから、8番に置いておくと面白いんです」という藤田 純平君が、「何かをやる男」の本領を喫規したといってもいい一発だった。
8回にも無死満塁から、併殺打となる感にダメ押しの1点を奪っているが、責めようによっては、もっと取れた展開だったとも言えよう。このあたりに関しては、大原監督も、「行けたら行けという指示は出していましたから、積極的に次の塁を狙っていくのはいいのですけれども、行ってはいけない場面で行ってしまってアウトになって、その後に四球というチグハグなところもありました」と、6回に4人目の小林君が制球で苦しんでいる無死一塁のところで二塁盗塁を試みて刺され、その後に四球となりながら結果的には得点に結びつかなかった場面を反省していた。
安城東の大見 健郎部長は、「今季は野球偏差値を上げていこうということをテーマとしてやっているのですけれども、今日なんかは偏差値32の野球でした。これでは、どこにも受からんということです」と、苦笑していた。それでも、これで安城東は1次リーグ4勝となった。やはり昨年秋の実績は選手たちの見えない自信になっていることは確かであろう。
大原監督も、「公式戦として、さまざまな状況を体験していくことで、失敗したとしても、それは糧になっている」と、実戦を踏んでいくことによる成長を認めていた。
岡崎北は、3点を取られても、次の回にすぐに追いつくなど食い下がりを見せたが、取ってもさらに取り返されるという展開で、試合の流れとしては苦しさは否めなかった。
（文・写真＝手束 仁）
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