今夜「プレバト!!」俳句の夏井先生は空気を読まない

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毎週木曜19時放送のプレバト!!(MBS制作)。先週(2/2)は、特待生候補の鶴見辰吾、千原ジュニア、河合郁人(A.B.C-Z)の三人と、初登場の黒谷友香と岡本玲が俳句に挑戦。お題は豆まき・節分だ。


俳句添削


まずは千原ジュニアの俳句。言葉のプロだけに、特待生への期待は膨らむ。

豆撒きはいじめ助長と鬼の声

豆撒きがイジメを助長してしまっているという寂しいニュースが流れていた。そこで出来たのがこの作品だ。鬼の声を、何でも過剰に反応してしまう世の中に見立てていて千原ジュニアらしい。風刺が効いてなかなか上手く出来ている気がする。しかし査定は、3位、45点、凡人。夏井先生いわく、この句には“詩”がないという。

いじめ助長にあらず豆撒け鬼の声

「豆を撒け」と鬼に言わせることによって、鬼の懐の広さと“詩”が生まれた。これを見ると添削前が俳句ではなくてただの風刺だったという事がよくわかる。なるほど。俳句難しい。

続いては鶴見辰吾の句。前回は才能アリ。

踏んづけた豆がポロリと福は内

仕事で遅く帰ってきて、音をたてないように歩いていたら豆を踏んでしまい今日が節分だと気づいた、という意味の句だそうだ。これは“詩”がある。そこにはいない子供たちの気配も感じていい作品な気がする。しかし、結果は、50点、2位、凡人。

踏んづけた深夜の豆や福は内

深夜という時間帯を入れただけで断然わかりやすくなり、その光景が伝わる。確かに添削前は、鶴見辰吾の説明ありきで良いと感じたが、この句なら何の情報も無しに伝わる気がする。

春近し鬼を遠ざけ福来る

鬼をやっつけて節分が終り、春と福が来たと言う句だ。わかりやすくて“詩”もあるように思える。が、結果は、40点、4位、凡人。これでは節分を説明しただけという。

春近し邪気遠ざけて□□□□□

5音と7音で節分を説明、最後の5音は好きなのを入れてくださいとのこと。なんとお洒落な添削だろう。先生が自由をくれた。

空気は読めるけど、読まない夏井先生


このように、残り2人を残して特待生候補3人を凡人枠で全員使いきってしまっている。つまり、「1位か5位か?特待生昇格なるか?」というバラエティ的なワクワクを作るチャンスを逃してしまっているのだ。

夏井先生が空気が読める人だという事は、番組を見ていれば誰でもわかる。しかし、それでもバラエティ的ワクワク演出を実現させないという事は、そんな事よりも俳句を上に置いているということ。これを深夜ならともかく、19時からのゴールデンでやっているのだから地味にすごい。視聴者はこういうガチなところに惹きつけられているのだろう。

最後に30点、最下位、才能無しの岡本玲の一句。

豆撒いて拾いし池の水温む

スタジオから失笑が漏れたこの句。次の日に外に落ちた豆を拾っていたら、池が温かくなっているのを想像して詠んだという。なるほど、言いたいことはなんとなくはわかる。しかし、“撒くと拾う”“池と水”片方ずつで十分伝わるので、文字数を無駄に使ってしまい、文法的にもわかりづらい。

福豆を拾うや水の温む朝

福豆という節分の季語と水温むという春の季語を使い、最後に朝で締めて次の日になった事を表現し、時間の移り変わりを詠んでいる。個人的には一番良いと感じた句になった。

今夜はのお題は梅と大宰府天満宮。上白石萌音、篠田麻里子、中田喜子、橋本良亮(A.B.C-Z)、的場浩司、眞鍋かをりの中から特待生が誕生するようだ。

(沢野奈津夫)