写真は新垣結衣カレンダーより

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 前クール、最終回20.8%を記録したドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)。初回10.2%から始まり、回を重ねるごとに視聴率は上昇、「恋ダンス」は社会的現象を巻き起こした。

 このドラマに、早くも続編の噂が流れている。一部報道によれば、主演二人のスケジュール確保にTBSがすでに動きを見せているようなのだ。「このTBSのすばやい行動も納得」だと、テレビ局関係者は語る。

「視聴率争いでは、日テレとテレ朝がトップを競い、TBSがそれを追う構図。ドラマ部門だけみても、昨年のプライムタイムのドラマ視聴率はTBSが9.95%。対してテレ朝は13.68%と、圧倒的な差がある。『相棒』『ドクターX』の新シリーズがあったからですね。だからこそ、シリーズドラマが1本もないTBSは、なんとしても『逃げ恥』をシリーズ化して、視聴率争いに食い込みたい」

■腐っている過去の遺産の反省

 安定した視聴率が期待できるドラマのシリーズ化。TBSが急ぐには、もう1つ理由がある。

「ここ数年、TBSは『半沢直樹』『下町ロケット』『99.9 -刑事専門弁護士-』など、続編を作れば高視聴率が期待できる大ヒットドラマを作った。しかしどれもシリーズ化には至っていない。『逃げ恥』を超え、昨年のドラマ全体2位の視聴率を記録した『99.9』は、主演・松本潤(33)のスキャンダル報道の影響で当分は難しい。『半沢直樹』『下町ロケット』に関しても、主演の堺雅人(43)、阿部寛(52)との調整が難航して、続編は暗礁に乗り上げてしまった。TBSは、大ヒットドラマをシリーズ化できず腐らせているのが現状です。その苦い経験があるため、今回の『逃げ恥』は絶対に逃したくないはず」(前出・テレビ局関係者)

 果たしてTBSは『逃げ恥』を捕まえることができるのか。視聴者の期待も高いこの作品、もしシリーズ化が成功すれば、TBSにとって大きな武器になることは間違いない。

文・佐々木浩司(ささき・こうじ)※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。