XFN-ASIAによると、ベルギーのブリュッセルで行われているEU（欧州連合）首脳会議で、議長国ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相は、2日目の会談でも、2007−2013年度の中期予算枠の合意には至らなかったことを明らかにした。特に、「合意に近づいたが、一部の国の反対で合意が得られなかった」と語り、分担金払戻制度（リベート制度）で抵抗する英国や、出資負担削減を強く求めるオランダを暗に非難した。

　　ドイツのシュレーダー首相も、「欧州全体のことを考えれば、合意は可能だった。それがなかったということは、英国とオランダは柔軟性に欠けるということだ」と批判、フランスのシラク大統領も、「EUが重大な危機にある」とし、払戻金の削減要求を拒絶し続ける英国の姿勢を非難した。一方、7月1日から議長国を務める英国のブレア首相は、EUが「前進できることを望む」と楽観的に語り、協議の中で孤立していないとの見方を示したが、これに対してユンケル首相は、憤慨した面持ちで「ノーコメント」と答えるにとどめた。憲法批准に続き、予算面でも合意が見出せず、EU内では改めて域内結束の後退が懸念されている。　【了】