XFN-ASIAによると、16日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月物は、前日に引き続き、米エネルギー省が15日に発表した週間原油在庫統計で原油とガソリンの在庫が前週から減少、需給のひっ迫感などから買いが入り、前日比1.01ドル(1.8％)高の1バレル＝56.58ドルに続伸、約2ヵ月ぶりの高値で引けた。

　　15日に発表された米週間原油在庫統計によると、原油の在庫は、前週比180万バレル減の3億2900万バレルとなった。ただ、この時期の平均の原油在庫量を大きく上回っており、米フィマットのジョン・キルダフ氏は、「米原油在庫の減少だけでは、原油価格の急伸を十分正当化できないようだ。市場は、すでに今秋の需給のひっ迫を見越しているのではないか」と分析した。

　　また、OPEC(石油輸出国機構)が、15日の臨時総会で、イラクを除く加盟10ヵ国の生産枠を7月1日から50万バレル引き上げ、その後も原油価格の高騰が続いた場合、アハマドOPEC議長(クウェート石油相)が加盟国と協議した上で、さらに50万バレル拡大することで合意したことについて、同氏は、「OPECは、第3四半期(7-9月)の世界原油需要に対応する意向を引き続き示しているが、問題は、世界の石油精製能力の欠如にあることを認識しており、市場は、原油供給量が十分に増えても原油高の解消にはならないことを知っている」と述べ、今後も原油価格が高止まりする可能性を指摘した。

　　また、ガソリン7月限は、前日比3.53セント(2.3％)高の1ガロン＝1.5978ドルと2日連続で急伸し、暖房油7月限は同0.44セント高の1ガロン＝1.6255ドルで反発して引 けた。【了】