中国人の反日感情の強さは知られているが、一方で日本を訪れ、日本を絶賛する中国人も非常に多い。中国サイト逍遥旅遊は、反日感情が強いはずの中国人がなぜ日本旅行を好むのかを考察している。

 記事は「2007年以降、日本に対して良くない印象を持っている中国人はずっと上昇し続けており、かつての40%未満から90%ほどまで上昇している」と中国人の対日感情が悪化の一途を辿っていると主張。しかし、調査結果に反し、日本への旅行者は年々増加している様子を伝えている。

 なぜ多くの中国人旅行者が日本を訪れているのだろうか。まず挙げているのは「空気がきれいであること」だ。最近あまり話題にならないが、中国のPM2.5濃度は非常に高い。例えば北京では青空を見ることもままならないほど大気汚染が深刻化している。日本ではPM2.5の数値が低く、天気が良ければいつでも青空を見られることを考えれば、環境の良さが中国人を引き付けるのも頷ける。

 さらに記事は、日本が「静か」で「清潔」であることや、「伝統の祭りや風習が残っている」ことなどを挙げている。中国には日本以上に数多くの祭日が存在するが、一部地域を除いてそのほとんどが、ただの販売促進日となってしまっている。商業化のレベルは日本を超えているということだ。

 記事も指摘している点だが、中国人の対日感情は主に両国間の関係に依存している。例えば2010年から12年にかけての尖閣諸島(中国名:釣魚島)問題で両国国民の互いに対する感情は急激に悪化した。近年は日本の集団的自衛権解禁などをめぐって中国で反発の声が高まっているというが、日中関係が良好になればさらに多くの中国人旅行客が日本を訪れることになるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)