聖心ウルスラvs延岡学園
是則(聖心ウルスラ)
重本浩司監督が率いる延岡学園。小田原斉監督が率いる聖心ウルスラ。毎年、夏に向けて確実に力をつけ、上位を争う延岡市の私立校同士が、早くも2回戦で顔を合わせた。
延岡学園は、1回戦で高千穂に7対0(8回コールド)で勝ちあがってきた。一方、聖心ウルスラは、1回戦で宮崎海洋と戦う予定だったが、開幕直前に宮崎海洋は部員不足によって出場辞退。よって、この2回戦(大会6日目)が、事実上、春の初戦となった。冬場の厳しい練習を乗り越えた成果を、公式戦でいち早く発揮したいと、聖心ウルスラの選手はウズウズしていたのかもしれない。
1番・能勢が中前安打で出塁すると、2番・渡辺が犠打を成功。3番・是則の中前適時打で先制後、2者連続死球で満塁になると、6番・岡崎の左越2点適時二塁打。続く7番・高田も左前適時打。8番・柳田の中犠飛!春の初戦の初回から、怒涛の攻撃で一挙5点を挙げた聖心ウルスラベンチは、スタンドと一体になってお祭り騒ぎ。一般観客までも、どよめかせる大盛り上がりをみせた。
聖心ウルスラは、勢い冷めぬまま、5回に3番・是則の右中越ソロ本塁打と7番・高田の左中適時二塁打で2点追加。6回には、1番・能勢・2番・渡辺・3番・是則・4番・佐藤の長短打含む4連打で3点を奪って、8回コールドゲームを成立させた。3番・是則は、4打数3安打(本塁打、二塁打、単打)4打点と大活躍。
エース柳田は、6回を1失点に抑え、守りも無失策。春の初戦にして最高の出来だった。この勢いのまま頂点を目指す聖心ウルスラは、3回戦で都城泉ヶ丘と対戦する。
■聖心ウルスラ・小田原 斉監督「初戦ということで、心配する部分もあったが、たまたま初回に大量点をとれて、相手のミスにも助けられた。(一冬を越えて)バッターが変化球に対応できるようになり、外野手は送球が上達してきた。ただ、細かいところをみれば、守備が例年より物足りないので、夏までに仕上げていきたい」
■大敗を喫した延岡学園。2回に8番・梅木の右前適時打で1点を返したが、エラーやミスが相次いだ悪いムードを払拭できないまま、聖心ウルスラに勝利を献上してしまった。「まだ春か?」「もう春か?」「まだ春の姿」と言ってしまえばそれまでだが、ここから、今年の夏も上位を争えるだけのチームにどれほど進化するのか、注目が集まる。
延岡学園は、今春、期待のかかる新1年生部員の入学で、ベンチ入り・スタメン争いの激化が予想される。宮崎県民を大いに沸かせた2013年夏の甲子園準優勝ぶりとなる「甲子園出場(全国制覇)」を目指して、今チームは、改めて「新チーム」づくりが始まる。
(写真・文=三角 竜之)
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