鶴丸vs鹿児島中央
鶴丸・西元逆転タイムリー
鶴丸・有木 和也（3年）、鹿児島中央・�顆� 大弥（3年）、両エースの好投で1点を争う緊迫した好ゲームだった。
序盤から押し気味に試合を進めていたのは鶴丸だった。6回まで毎回のように先頭打者が出塁し、得点圏に走者を進めるも、あと1本が出ない。三塁手・作田 晧亮（2年）、二塁手・潟山 弘晃（3年）らを中心とする鹿児島中央の気持ちの入った守りを崩せず、得点が奪えなかった。
先制したのは鹿児島中央。6回裏、2つの四死球とバント処理ミスで一死満塁とし、5番・穴井 快英（3年）の死球、押し出しで先制点を挙げた。
このまま鹿児島中央が押し切るかと思われたが、鶴丸は8回一死から連続四球と6番・川原園 紘也（3年）のセンター前ヒットで満塁と一打逆転のチャンスを作る。
徳重 貴久監督は7番・西元 俊喜（3年）のところでタイムをとって、吉田 哲也主将（3年）を伝令に出した。 「お前にスクイズはない。思い切り行け！」 西元は背番号19ながら思い切りの良さ、打席での積極性を買って、初戦の種子島戦からスタメンで起用している。打順が回ってくるまでの間、5番・有木がファールフライ、アウトのところを落球で仕切り直し、四球を選んだところで「自分にチャンスが回ってくる。打てばヒーローだ」と心の準備をしていた。カウント3ボール1ストライクから強振し、センター前への2点タイムリーでようやく試合をひっくり返した。
9回も先頭打者を四球で出し、サヨナラの走者を死球で出すなど、最後まで苦しんだが、最後は有木が空振り三振で打ち取って1点差を守り切った。 「（有木）和也が1点で踏ん張ってくれたのが何より大きかった。苦しい時でもベンチが盛り上げてくれて助かった」と殊勲打の西元は仲間に感謝していた。
（文＝政 純一郎）
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