総再生回数1800万回驚異のバスケ動画、世界中みんなピタゴラスイッチが大好きだ
人はなぜピタゴラスイッチ的なものに、こんなに惹かれるのだろう?
ビー玉が転がっていくと、それを待ち受けている仕掛けが連鎖して動き、玉をあらぬ方向に運んでいくアレである。『ピタゴラスイッチ』の中ではピタゴラ装置と呼ばれているが、コロコロ装置と呼ぶ人もいる。アメリカではルーブ・ゴールドバーグ・マシンとも呼ばれているらしい。
最近ではアメリカのロックバンドOK Goの「This Too Shall Pass」PVで大掛かりなルーブ・ゴールドバーグ・マシンが使用されていた。なんだか知らないが、見ていると楽しいのである。
先日、フェイスブックを見ていたら、「The Ultimate Trickshot Dunk!」と題された動画がシェアされてきた。「すんごいトリッキーなダンクシュート」みたいな意味だ。
百聞は一見に如かず。まずは動画を見てもらおう。
ボンヤリした顔の若者がバスケットボールをあらぬ方向に投げると、ボールは家の中に仕掛けられたチープな装置の上を転がっていく。ボールは階段を転がり落ち、バケツに入って運ばれ、忍者やウンコをしている人やラジコンカーや孫悟空やバーベキューをやっている人やプールで戯れる美女たちが次から次へとパスしていき、家の外にあるバスケットゴールを目指す。
人を介しているから厳密にはルーブ・ゴールドバーグ・マシンの定義にはあてはまらないかもしれないが、見た目の快楽はピタゴラ装置に近い。
準備に3日、137回目の挑戦で成功したと説明文に書かれているが……よく137回で成功したなぁとも思うし、137回挑戦し続けたのもすごい。全員が成功すると信じていたのだろうか?
この動画、フェイスブックには9月9日にアップされたばかりだが、すでに1500万回再生され、約20万人がシェアしている。YouTubeでは300万回以上再生されている。やっぱり人はピタゴラ装置的なものに惹かれるのだ。
この動画の主は、ライアン・ヒガなる男。冒頭に登場するボンヤリした顔の若者だ。
いわゆるYouTuberの元祖のような存在で、彼のYouTubeチャンネル登録数は全世界で1500万人、動画の総再生回数は23億5000万回に及ぶ。テイラー・スウィフトやワン・ダイレクションの公式チャンネルも含めても、彼のチャンネル登録者数は世界ベスト10に入る。ヒカキンのチャンネル登録者数が現在約245万人なので、文字通りケタが違う存在である(というかヒカキンもすごいな)。
ヒガは現在25歳。中学生の頃、ハワイの田舎町で暇を持て余していたヒガ少年が、家にあったビデオカメラで適当な動画を撮ってYouTubeにアップしはじめたのがすべての始まりだった。ヒマな田舎の中坊が、いまや世界有数のYouTubeセレブリティ。なんでもやってみるものだ。日系人の彼は、東日本大震災の3日後に「Honk For Japan!」というチャリティー動画もアップしている。2013年には初来日も果たした。
「学校ではシャイな方で人前でうまく話せなかったり怖じ気づいたりしていた」(2013年のインタビューより)というヒガだが、動画の中の彼はそんな風にはまったく見えない。
YouTuberとしての成功ばかりがピックアップされている彼だが、「The Ultimate Trickshot Dunk!」を見ると、実に30人以上の人が彼に協力している。たぶんほとんどノーギャラの友人たちが、実に楽しそうに137回も挑戦しているのだ。その中心にはヒガのアイデアとパーソナリティ、そしてライフスタイルがある。
今一番大事なことは、新しいプラットフォームを使っていかに効率よく稼ぐか、ライターを安くこき使ってパクリメディアで稼ぐか……なんてことではなく、ライアン・ヒガのように楽しげなコミュニティを創って、そこで何か新しいクリエイティブなことを行っていくことなんだと思う。
(大山くまお)
ビー玉が転がっていくと、それを待ち受けている仕掛けが連鎖して動き、玉をあらぬ方向に運んでいくアレである。『ピタゴラスイッチ』の中ではピタゴラ装置と呼ばれているが、コロコロ装置と呼ぶ人もいる。アメリカではルーブ・ゴールドバーグ・マシンとも呼ばれているらしい。
最近ではアメリカのロックバンドOK Goの「This Too Shall Pass」PVで大掛かりなルーブ・ゴールドバーグ・マシンが使用されていた。なんだか知らないが、見ていると楽しいのである。
百聞は一見に如かず。まずは動画を見てもらおう。
ボンヤリした顔の若者がバスケットボールをあらぬ方向に投げると、ボールは家の中に仕掛けられたチープな装置の上を転がっていく。ボールは階段を転がり落ち、バケツに入って運ばれ、忍者やウンコをしている人やラジコンカーや孫悟空やバーベキューをやっている人やプールで戯れる美女たちが次から次へとパスしていき、家の外にあるバスケットゴールを目指す。
人を介しているから厳密にはルーブ・ゴールドバーグ・マシンの定義にはあてはまらないかもしれないが、見た目の快楽はピタゴラ装置に近い。
準備に3日、137回目の挑戦で成功したと説明文に書かれているが……よく137回で成功したなぁとも思うし、137回挑戦し続けたのもすごい。全員が成功すると信じていたのだろうか?
この動画、フェイスブックには9月9日にアップされたばかりだが、すでに1500万回再生され、約20万人がシェアしている。YouTubeでは300万回以上再生されている。やっぱり人はピタゴラ装置的なものに惹かれるのだ。
チャンネル登録者1500万人! 世界的YouTuberライアン・ヒガ
この動画の主は、ライアン・ヒガなる男。冒頭に登場するボンヤリした顔の若者だ。
いわゆるYouTuberの元祖のような存在で、彼のYouTubeチャンネル登録数は全世界で1500万人、動画の総再生回数は23億5000万回に及ぶ。テイラー・スウィフトやワン・ダイレクションの公式チャンネルも含めても、彼のチャンネル登録者数は世界ベスト10に入る。ヒカキンのチャンネル登録者数が現在約245万人なので、文字通りケタが違う存在である(というかヒカキンもすごいな)。
ヒガは現在25歳。中学生の頃、ハワイの田舎町で暇を持て余していたヒガ少年が、家にあったビデオカメラで適当な動画を撮ってYouTubeにアップしはじめたのがすべての始まりだった。ヒマな田舎の中坊が、いまや世界有数のYouTubeセレブリティ。なんでもやってみるものだ。日系人の彼は、東日本大震災の3日後に「Honk For Japan!」というチャリティー動画もアップしている。2013年には初来日も果たした。
「学校ではシャイな方で人前でうまく話せなかったり怖じ気づいたりしていた」(2013年のインタビューより)というヒガだが、動画の中の彼はそんな風にはまったく見えない。
YouTuberとしての成功ばかりがピックアップされている彼だが、「The Ultimate Trickshot Dunk!」を見ると、実に30人以上の人が彼に協力している。たぶんほとんどノーギャラの友人たちが、実に楽しそうに137回も挑戦しているのだ。その中心にはヒガのアイデアとパーソナリティ、そしてライフスタイルがある。
今一番大事なことは、新しいプラットフォームを使っていかに効率よく稼ぐか、ライターを安くこき使ってパクリメディアで稼ぐか……なんてことではなく、ライアン・ヒガのように楽しげなコミュニティを創って、そこで何か新しいクリエイティブなことを行っていくことなんだと思う。
(大山くまお)