子供の夢ちゃ大人のためにあるがちゃないげんよ「まれ」134話

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朝ドラ「まれ」((NHK 月〜土 朝8時〜)9月1日(火)放送。第23週「いっぱい失敗タルトタタン」第134話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:渡辺一貴


133話は、こんな話


双子なのに、歩実(横山芽生)にはいっぱい夢があるが、匠(小山春朋)は夢がなくて、希(土屋太鳳)は心配になる。圭太(山崎賢人)は、文(田中裕子)が紙芝居でへんなことを教えるからいけないと言いだして・・・。

今日の、夢


夢が嫌いな主人公としてはじまった「まれ」の“夢”に対する総括がそろそろなされようとしています。
歩実と匠は、希の中で混沌としていた夢に対する希望とおそれが、分裂したものの現れとして描かれているのでしょう。

能登の村に子供が増えて、大人たちは彼らに夢(仕事)を託そうと考え始めますが、マキ(中川翔子)は「なに子供に村しょわせようとしてるがいね」と冷ややか。一徹の子・徹志にいたっては「子供の夢ちゃ大人のためにあるがちゃないげんよ 気いつけてや」と幼い顔して実に鋭い発言を(さすが、シビアな一徹とみのりの子供)。
そのへんのことをとりまとめるのは文。
「将来の夢ねんさけ職業じゃなくてもいいげんろ」「夢とかやりたいとかねえでも楽しいと思える事やったらほれでいいわいね」
またまた含蓄あるお言葉を語りました。

今日の、徹


文は、圭太に文句を言われ、ふみさん劇場の、徹(大泉洋)物語のラストを付け足します。
「夢は必ず叶うとかかぎらんけど、こわいものじゃありません。取り扱いに注意して夢をみるのもいいでしょう」
「苦しい付け足しやな」と一徹に批評されますが、文なりに子供たち(主に匠)のことを思いやっているのでしょう。
そもそも、この紙芝居、なんのために文がやってるかといえば、不在の徹のことを孫たちに、ちゃんと認識させるためなのではと思えてきます(内容に夢も希望もないとしても)。
藍子(常盤貴子)が、いつか徹に読ませようと、家族の記録を毎日つけていると聞いた希は、一徹がブログで家族のことを発信し続けているのも、徹がどこかで読むことを考えてのことでは、と勘づきます。
希も徹の気持ちを背負ってケーキ店をやっているわけで、なんて、すばらしい家族なのでしょう。
徹こそ、夢の象徴ですね。文の「夢とかやりたいとかねえでも楽しいと思える事やったらほれでいいわいね」というものの最たる存在。
早く、家族全員そろって、いつまでもいつまでも楽しく暮らしました。めでたしめでたし。になるといいですね。
(木俣冬)
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いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))