5、4、3、2、1! デジモン16周年のお祭り「デジフェス2015」涙腺ゆるみっぱなしレポ
8月1日、デジモンの日。
「今日はたっくさんの選ばれし子供たちに会えるんだよね〜!」
デジモンたちの会話が聞こえてくる。「来てるんだ!」会場がざわつく。
「せーの、デジモンアドベンチャーフェス2015〜!」
豊洲PITで行われた「DIGIMON ADVENTURE FES. 2015」は、16周年を迎えるアニメ「デジモンアドベンチャー」シリーズのお祭り。第1部&第2部ともにチケットが完売した人気イベントだ。
オープニング映像とともに、自然にカウントダウンが起こる。5、4、3、2、1!
宮崎歩が現れて歌う「brave heart」! 歓声が上がる。この時点で涙腺は完全に緩んだ。
MCの涙腺も緩んでいた。
「わかってはいたんですけど、やっぱりダメでした……!」
ボロ泣きしながら入ってきたのは、アナウンサーの松澤千晶。
「少々取り乱しました……。『デジモン』は、大好きというか、常に心の中にある作品です!」
16年前の「デジモンアドベンチャー」からデジモンたちを演じてきた声優陣がやってくる。
坂本千夏(アグモン役)、山口眞弓(ガブモン役)、重松花鳥(ピヨモン役)、山田きのこ(パルモン役)、竹内順子(ゴマモン役)、松本美和(パタモン役)、徳光由禾(テイルモン役)。重松はピヨモンTシャツを着てきて、会場内からひときわ大きな歓声を浴びていた。
竹内「子どもの頃に『デジモン』を見てた人はどれくらいいる?(会場中で手が挙がる)……ありがたいですね、感動。今日は1匹いないけど許してね〜!」
残念ながら櫻井孝宏(テントモン役)は欠席だが、そのほかの7人がイベントで勢ぞろいするのは初めてのことだ。
キャスト陣が「思い入れのあるシーン」についてクロストーク。
坂本「私は1話の、コロモンと太一との出会いのシーン。『僕コロモン、タイチ〜、ずっと待ってた!』。このころはかわいかったよね〜。みんなに忘れてほしくないんですよね、進化する前のかわいかったころを(笑)」
13話の、パタモンがエンジェモンに進化するシーンも話題に上がる。
松本「ものすごくいいとこどりのシーンです! この回までパタモンは1回も進化シーンがなくて、3カ月くらいほったらかし。敵が出たら倒してくれるし、疲れたらタケルが乗せてくれる(笑)。で、進化したと思ったら、卵に戻っちゃう。親から電話がかかってきて『クビか!?』と言われました……」
「デジモン」シリーズの魅力のひとつは、印象深い台詞。キャスト勢は次々に挙げていく。
徳光「テイルモンの『私はあなた達とは鍛え方が違うのよ!』。どこで鍛えてたんだろう……?(笑)」
竹内「完全なSだよね〜! 私はゴマモンの『大丈夫、いざとなったらおいらが手を貸してあげるからさ』が気になって。お前、それは手なのか? いつもだっこされてるし、手を貸す気はあるのか? って」
山口「一番印象に残っているのは、51話の『たったひとりの君と出会うために、ずっとこの世界で待っていたのに』ですね」
もちろん、それらの台詞はキャスト陣がデジモンとして喋ってくれる。そのたびに盛大な拍手!
16年間付き合ってきた「デジモン」という作品は、キャスト陣にとってどういう存在だったのだろう。
山口「デビューの作品だったので、ガブモンは、一緒に15年間この職業をやってきたんだな……と思うパートナー」
坂本「『デジモン』が初のレギュラー番組の人も多かった。あのときはみんなフレッシュで、すごく一生懸命でしたね」
山口「うまくマイクに入れなくて、坂本さんに背中を押してもらったり袖を引いてもらったりしたのを覚えてます」
山田「私もです! 思い出したら涙が出てきました〜!」
本当に泣いていた。
2015年の11月21日に劇場公開する、子どもたちの「その後」を描いた作品「デジモンアドベンチャーtri.」のキャストもトークに加わる。
花江夏樹(八神太一役)、細谷佳正(石田ヤマト役)、田村睦心(泉光子郎役)、吉田仁美(太刀川ミミ役)、池田純矢(城戸丈役)。榎木淳弥(高石タケル役)、M・A・O(八神ヒカリ役)が登場、デジモンたちの横にちょっとはにかみながら並ぶ。
第1章「再会」のアフレコはもう終わっている。
花江「大好きな作品に関わることができて、アフレコが緊張しないわけがないんですよ!」
山口「でも、私たちのころに比べるとみんなすごく上手ですよ!」
坂本「そうね〜、あなたたちと比べると! ほんと〜に大変だったんだから(笑)」
山口と坂本のやりとりに(位置的に)挟まれてしまった細谷が呟く。
細谷「こ、ここ、いづらいんですけど……!」
「tri.」で成長した子どもたちを演じる声優陣は、ほとんどみな「デジモン世代」。
池田「当時小学生で、かじりついて見てました」
竹内「あんまりそういう話しないでくれる? 年齢の差をすごく感じるから!」
池田「すみません!(笑) でも丈とゴマモンとのパートナー感がいちばん好きだったので、演じられて嬉しいです」
榎木「小学生の時に……すみません(笑)、デジモンのゲームを先生に隠れながらやってました」
重松「私たちは収録の合間にやってましたよ〜」
花江「エンジェモンがめっちゃ強いんですよね……僕はそればっかりやってました」
16年という歴史の長さをひしひしと感じる。
気になるのは、成長した子どもたちがどうなっているのか。昔と変わっているのか、それとも変わっていないのか……?
花江「小学生の時の太一は、やんちゃで正義感が強くて、仲間を引っ張っていけるカリスマ性のあるキャラ。太一があのまま成長したら僕には演じられないかもしれない……と思ったんですが、子どもはそのまま成長するわけじゃない。新しい僕の太一をつくっていけたらと思います」
も、もしかして、ぐれちゃってる!?
細谷「そのまま大きくなる子もいれば、成長過程の中でがらっと変わる子もいる」
山口「ヤマトは、大人になったと思う。基本は変わってないんだけどね」
花江「デジモンたちがそのままでいてくれるから、より変化がわかるんですよね」
ちなみに、光子郎やミミ、丈はあまり変わっていないらしい。
池田「初代では小学6年生だった丈は勉強に励んでいて、『02』の中3のときは受験勉強に励んでいた。そして『tri.』の丈は……高3です! もうわかりましたよね?(笑)」
勉強、がんばれ!
今日来られなかった櫻井と三森すずこ(武之内空役)のビデオメッセージも再生された。
櫻井「テントモンは僕の一番最初のレギュラーのお仕事。愛知出身の僕が『関西弁できるそうで』と言われて、『はい、できます』と言って決まったのがこの役です(笑)」
三森「空は太一とヤマトのあいだに入って、お姉さんっぽかったりお母さんっぽかったりする面を見せている。空の優しさと強さが現れていると思います」
今回のイベントでは、「tri.」の最新映像も公開された。大人になって、ちょっぴりだいぶ複雑になった人間関係が描かれていく……のかもしれない。
イベントの終盤は、宮崎歩とAiMによる怒涛のライブパート。みんな立ってサイリウムを振っている。
「Seven」「I wish(tri.ver)」「keep on」「いつもいつでも」「Break up!」、そしてふたたび「brave heart(tri. ver)」。ファンが一緒に歌っている。
そして最後の曲……に行く前に、これまでの登壇者が全員登場。
ここでMCの松澤が、和田光司の名前を出す。和田は「デジモン」の顔とも言える曲「Butter-Fly」を歌っている歌手で、現在は病気療養中。
和田からの手紙を、宮崎が代読した。
〈「デジモンアドベンチャー」にとって記念すべき8月1日。皆さんと一緒にデジフェスを楽しみたかったのですが、皆さんの前で歌うまでは改善せず、出演をキャンセルすることになりました。始まって16年、あのころはまさか16年後にその後の物語、成長した太一たちを見れるとは思っていませんでした。
主題歌が「Butter-Fly」と知って、とても嬉しかった。今の自分を存分に打ち出して歌うのか、16年前のあのときを再現するべきか……年齢を重ね、完璧にあの頃を再現するのは無理かもしれません。ですが、最大限あのときの興奮のまま「tri」へと続いていく、そんな「Butter-Fly」でありますように。
ゴキゲンな蝶になって、きらめく風に乗って。いつかみんなに会いに行こう。和田光司〉
そして、みんなで歌う「Butter-Fly(tri. ver)」。そりゃあもう、泣きながら歌いました!
(青柳美帆子)
「今日はたっくさんの選ばれし子供たちに会えるんだよね〜!」
デジモンたちの会話が聞こえてくる。「来てるんだ!」会場がざわつく。
「せーの、デジモンアドベンチャーフェス2015〜!」
豊洲PITで行われた「DIGIMON ADVENTURE FES. 2015」は、16周年を迎えるアニメ「デジモンアドベンチャー」シリーズのお祭り。第1部&第2部ともにチケットが完売した人気イベントだ。
オープニング映像とともに、自然にカウントダウンが起こる。5、4、3、2、1!
宮崎歩が現れて歌う「brave heart」! 歓声が上がる。この時点で涙腺は完全に緩んだ。
「わかってはいたんですけど、やっぱりダメでした……!」
ボロ泣きしながら入ってきたのは、アナウンサーの松澤千晶。
「少々取り乱しました……。『デジモン』は、大好きというか、常に心の中にある作品です!」
エンジェモン進化、「たったひとりの君」……記憶に残る名シーン
16年前の「デジモンアドベンチャー」からデジモンたちを演じてきた声優陣がやってくる。
坂本千夏(アグモン役)、山口眞弓(ガブモン役)、重松花鳥(ピヨモン役)、山田きのこ(パルモン役)、竹内順子(ゴマモン役)、松本美和(パタモン役)、徳光由禾(テイルモン役)。重松はピヨモンTシャツを着てきて、会場内からひときわ大きな歓声を浴びていた。
竹内「子どもの頃に『デジモン』を見てた人はどれくらいいる?(会場中で手が挙がる)……ありがたいですね、感動。今日は1匹いないけど許してね〜!」
残念ながら櫻井孝宏(テントモン役)は欠席だが、そのほかの7人がイベントで勢ぞろいするのは初めてのことだ。
キャスト陣が「思い入れのあるシーン」についてクロストーク。
坂本「私は1話の、コロモンと太一との出会いのシーン。『僕コロモン、タイチ〜、ずっと待ってた!』。このころはかわいかったよね〜。みんなに忘れてほしくないんですよね、進化する前のかわいかったころを(笑)」
13話の、パタモンがエンジェモンに進化するシーンも話題に上がる。
松本「ものすごくいいとこどりのシーンです! この回までパタモンは1回も進化シーンがなくて、3カ月くらいほったらかし。敵が出たら倒してくれるし、疲れたらタケルが乗せてくれる(笑)。で、進化したと思ったら、卵に戻っちゃう。親から電話がかかってきて『クビか!?』と言われました……」
「デジモン」シリーズの魅力のひとつは、印象深い台詞。キャスト勢は次々に挙げていく。
徳光「テイルモンの『私はあなた達とは鍛え方が違うのよ!』。どこで鍛えてたんだろう……?(笑)」
竹内「完全なSだよね〜! 私はゴマモンの『大丈夫、いざとなったらおいらが手を貸してあげるからさ』が気になって。お前、それは手なのか? いつもだっこされてるし、手を貸す気はあるのか? って」
山口「一番印象に残っているのは、51話の『たったひとりの君と出会うために、ずっとこの世界で待っていたのに』ですね」
もちろん、それらの台詞はキャスト陣がデジモンとして喋ってくれる。そのたびに盛大な拍手!
16年間付き合ってきた「デジモン」という作品は、キャスト陣にとってどういう存在だったのだろう。
山口「デビューの作品だったので、ガブモンは、一緒に15年間この職業をやってきたんだな……と思うパートナー」
坂本「『デジモン』が初のレギュラー番組の人も多かった。あのときはみんなフレッシュで、すごく一生懸命でしたね」
山口「うまくマイクに入れなくて、坂本さんに背中を押してもらったり袖を引いてもらったりしたのを覚えてます」
山田「私もです! 思い出したら涙が出てきました〜!」
本当に泣いていた。
変わるものと変わらないもの、最新作「tri.」
2015年の11月21日に劇場公開する、子どもたちの「その後」を描いた作品「デジモンアドベンチャーtri.」のキャストもトークに加わる。
花江夏樹(八神太一役)、細谷佳正(石田ヤマト役)、田村睦心(泉光子郎役)、吉田仁美(太刀川ミミ役)、池田純矢(城戸丈役)。榎木淳弥(高石タケル役)、M・A・O(八神ヒカリ役)が登場、デジモンたちの横にちょっとはにかみながら並ぶ。
第1章「再会」のアフレコはもう終わっている。
花江「大好きな作品に関わることができて、アフレコが緊張しないわけがないんですよ!」
山口「でも、私たちのころに比べるとみんなすごく上手ですよ!」
坂本「そうね〜、あなたたちと比べると! ほんと〜に大変だったんだから(笑)」
山口と坂本のやりとりに(位置的に)挟まれてしまった細谷が呟く。
細谷「こ、ここ、いづらいんですけど……!」
「tri.」で成長した子どもたちを演じる声優陣は、ほとんどみな「デジモン世代」。
池田「当時小学生で、かじりついて見てました」
竹内「あんまりそういう話しないでくれる? 年齢の差をすごく感じるから!」
池田「すみません!(笑) でも丈とゴマモンとのパートナー感がいちばん好きだったので、演じられて嬉しいです」
榎木「小学生の時に……すみません(笑)、デジモンのゲームを先生に隠れながらやってました」
重松「私たちは収録の合間にやってましたよ〜」
花江「エンジェモンがめっちゃ強いんですよね……僕はそればっかりやってました」
16年という歴史の長さをひしひしと感じる。
気になるのは、成長した子どもたちがどうなっているのか。昔と変わっているのか、それとも変わっていないのか……?
花江「小学生の時の太一は、やんちゃで正義感が強くて、仲間を引っ張っていけるカリスマ性のあるキャラ。太一があのまま成長したら僕には演じられないかもしれない……と思ったんですが、子どもはそのまま成長するわけじゃない。新しい僕の太一をつくっていけたらと思います」
も、もしかして、ぐれちゃってる!?
細谷「そのまま大きくなる子もいれば、成長過程の中でがらっと変わる子もいる」
山口「ヤマトは、大人になったと思う。基本は変わってないんだけどね」
花江「デジモンたちがそのままでいてくれるから、より変化がわかるんですよね」
ちなみに、光子郎やミミ、丈はあまり変わっていないらしい。
池田「初代では小学6年生だった丈は勉強に励んでいて、『02』の中3のときは受験勉強に励んでいた。そして『tri.』の丈は……高3です! もうわかりましたよね?(笑)」
勉強、がんばれ!
今日来られなかった櫻井と三森すずこ(武之内空役)のビデオメッセージも再生された。
櫻井「テントモンは僕の一番最初のレギュラーのお仕事。愛知出身の僕が『関西弁できるそうで』と言われて、『はい、できます』と言って決まったのがこの役です(笑)」
三森「空は太一とヤマトのあいだに入って、お姉さんっぽかったりお母さんっぽかったりする面を見せている。空の優しさと強さが現れていると思います」
今回のイベントでは、「tri.」の最新映像も公開された。大人になって、ちょっぴりだいぶ複雑になった人間関係が描かれていく……のかもしれない。
熱唱合唱「Butter-Fly」!
イベントの終盤は、宮崎歩とAiMによる怒涛のライブパート。みんな立ってサイリウムを振っている。
「Seven」「I wish(tri.ver)」「keep on」「いつもいつでも」「Break up!」、そしてふたたび「brave heart(tri. ver)」。ファンが一緒に歌っている。
そして最後の曲……に行く前に、これまでの登壇者が全員登場。
ここでMCの松澤が、和田光司の名前を出す。和田は「デジモン」の顔とも言える曲「Butter-Fly」を歌っている歌手で、現在は病気療養中。
和田からの手紙を、宮崎が代読した。
〈「デジモンアドベンチャー」にとって記念すべき8月1日。皆さんと一緒にデジフェスを楽しみたかったのですが、皆さんの前で歌うまでは改善せず、出演をキャンセルすることになりました。始まって16年、あのころはまさか16年後にその後の物語、成長した太一たちを見れるとは思っていませんでした。
主題歌が「Butter-Fly」と知って、とても嬉しかった。今の自分を存分に打ち出して歌うのか、16年前のあのときを再現するべきか……年齢を重ね、完璧にあの頃を再現するのは無理かもしれません。ですが、最大限あのときの興奮のまま「tri」へと続いていく、そんな「Butter-Fly」でありますように。
ゴキゲンな蝶になって、きらめく風に乗って。いつかみんなに会いに行こう。和田光司〉
そして、みんなで歌う「Butter-Fly(tri. ver)」。そりゃあもう、泣きながら歌いました!
(青柳美帆子)