糸満vs嘉手納
これがセンバツ出場校の力!糸満が嘉手納を下し、6年連続のベスト8進出!
スピード感あふれる野球が糸満の、そして上原忠監督の野球とは分かっていても、余りにも衝撃的な電光石火の早業だった。
初回、糸満は先頭の大城 翔太郎がセンター前のヒットで出塁すると、美里工戦の7番から本来の打順である2番へと戻った岡田 樹がショートへの内野安打で一・二塁とする。続く池間 誉人の当たりはセカンドへ。グラブをかすったが僅かにすり抜け、ライト前に転がる間に二走が一気に本塁へ。キャッチャーへ送球されるも大城翔の足が速く先制点を挙げる。もちろん岡田、池間の二人も送球間にそれぞれ進塁し、抜かりのない糸満の脚を見せつけることも忘れない。さらに4番大城 龍生が、逆らわずレフトへ運ぶと、岡田に続き池間も生還。打者4人で刻んだ3点は、試合開始から僅か8球だった。
攻撃の手を緩めない糸満は、2回にも一死から我那覇 裕希がライトオーバーの三塁打を放つと、ツーアウト後に大城翔のタイムリーで加点。3回にはヒットで出塁した大城龍が牽制悪送球で三塁まで達すると、美里工戦でホームランを放っている金城 旭貞がセンターの頭を越える三塁打で嘉手納のエース仲地 玖礼をノックアウト。さらに金城 乃亜にもタイムリーが出て、我那覇もヒットで繋ぐと比嘉 良平が左中間への2点タイムリー二塁打で8点目とした。糸満は4回にも3点を加えるなど、終わってみれば7回までに16安打を集める猛攻で12得点を挙げ快勝。上原忠監督が糸満に赴任してきて、初めて決勝進出を果たした宮國 椋丞(巨人)らの2010年から、実に6年連続となる(同校にとっては20度目の)ベスト8進出を決めた。
(文=當山 雅通)