大手前高松vs香川高専高松
「宣誓!今日から誰もが夢見る 甲子園の舞台に 足を踏み入れるための戦いが 始まります」
7月11日(土)午前9時半過ぎのレクザムスタジアム。志度の主将・冨田将孝(3年・左翼手)の高らかな選手宣誓により、四国4県の先陣を切って開幕戦を迎えた香川大会。開幕戦で登場したのは昨夏準優勝、昨秋8強・今春も4位など近年、安定した実力を発揮している大手前高松である。
が、ことこの試合に関して言えば、昨夏のチーム結成後目指した「1年生大会を除く公式戦1勝」を勝ち取れず敗れた香川高専高松との差は8回コールド勝ちという結果ほどなかった。1回裏に相手守備の乱れから2点を先制したが、2回表には先発の香川 瑞貴(3年・181センチ75キロ・右投右打・高松市立紫雲中出身)無死二・三塁の大ピンチを背負うことに。香川高専高松がここで果敢な強攻策ではなく、スクイズなどの飛び道具を用いていれば、試合の展開はまったくわからなかった。
その一方で大手前高松はまだ余力を残しつつ、新たな戦術を練っているように見える。象徴的なのは彼らのキャッチフレーズ「脱・進塁」のバロメーターとなる「盗塁数」だ。
香川高専高松戦におけるチーム盗塁数はわずか「2」。ただ、試合を通じてみると様々なリードオフを採りながら、常に相手へプレッシャーを与えていた。中盤以降、着実に追加点を奪えたのも、これらのプレッシャーがあったからに相違ない。
では、手の内を全て見せるのはいつなのか?お互い順調に勝ち進めば、3回戦で英明と対戦する大手前高松。「奪・進塁」2年目の総合評価はその様子を見てからでも決して遅くない。
(文=寺下 友徳)
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