『辻口スタイル』(中央公論新社)
「まれ」の製菓指導・辻口博啓の書籍

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朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)6月6日(土)放送 第10週「逆転一発パンケーキ」第60話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:一木正恵

池畑大悟(小日向文世)が覚悟を決めて、いよいよはじまった「料理の巨人」の生放送。
大悟は巨匠の本領を発揮して、生意気な若手を負かします。
巨匠の偉大さは、途中で眼鏡をかけて仕上げをしながら、突然、予定にない品をつくりだし、しかも、希(土屋太鳳)を呼んで、番組中にメレンゲ特訓を行うこと。天才とは、努力も人一倍だけど、なにかのときに常識を超えられることなのだなと思わされました。

で、予定にない品・パンケーキは、今週のタイトルになっているもの。月〜金までなんの片鱗も見せなかったこの品が、大悟と再婚した輪子(りょう)とその連れ子・美南(中村ゆりか)との新しい家族の愛情を表すものでした、といういい話でまとめます。
収録が終わったスタジオで、小日向さんと中村ゆりかさんが感動シーンを演じるところは舞台のようでした。
たいてい、いろいろあるけど土曜日にきれいにまとまっちゃう「まれ」。食がモチーフの10回くらいの連続ドラマの一話完結方式を一週間単位でやっている感じで、それが単調な印象を作り出している気がいたします。朝ドラの山はやっぱり大きくて、上るのが大変なんだなと思いますが、もうちょっと俯瞰して長いうねりをつくってほしいところです。来週から、いよいよ本題のパティシエ修業がはじまるので、新しい風が吹くでしょうか。

今日の、気になる顔


「料理の巨人」の審査員たち。
この番組は、他局で人気を誇った「料理の鉄人」の誠実なパロディで、審査員のひとりに鉄人に解説者として出演していた服部幸應が参加。ほかの審査員は、「まれ」の製菓指導の辻口博啓、スイーツ親方こと芝田山親方、近年の大河ドラマの芸能指導を行っている友吉鶴心の面々でした。
(木俣冬)

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いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))