【ファンキー通信】外国から帰らない若者たち・・・その名も「外こもり」

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 学校にも行かず、ただひたすら家に閉じこもり毎日を過ごしている若者たち・・・通称、「引きこもり」。その数は全国で約100万人にも及ぶとされ、厚生労働省をはじめ、国の公的機関もその対策に頭を悩ませている。そんななか、また新たな悩みのタネが台頭してきた。その名も、「外こもり」・・・「外にこもる」ってどういうこと?

 雑誌『AERA』によると、「外こもり」とは「日本で日雇いバイトなどをして資金を調達し、物価の安い途上国へと飛んで自由気ままな生活を送る。そして、資金が底を尽くと再び日本へと舞い戻り、資金調達のためにバイトに明け暮れる」という人々のことを指しているらしい。つまり、家にこもる「引きこもり」とは対称的に、「外こもり」は途上国にこもっているわけだ。この2つ、名称は似ているけれども、両者の本質は同じものなのだろうか?

 「同じだと思いますよ。両者とも、こもってしまう発端は深刻な厭世感からきているのだと思います。“社会に入っていけない”“自分の存在が許されていない”・・・そう感じたときに、ある者は家に閉じこもり、ある者は日本を出ていこうとする。ただそれだけの違いではないでしょうか」(ひきこもり支援団体・関係者)

 なるほど。確かに行動パターンは違うけれども、それに至る経緯や理由は同じなのかもしれない。ということは、「外こもり」も「引きこもり」同様、今後さらに増え続けていく傾向にあるのだろうか?

 「わかりません。なぜなら、外こもりと分類されるような人は昔から存在していたのです。現代の引きこもり事情に合わせて、そういった人々がクローズアップされているだけかもしれませんしね」(同氏)

 どうやら「外こもり」の方が歴史は古く、現代特有の現象というわけでもないらしい。ま、確かに、いくら短期間とはいえ、外国で生活するにはそれなりのスキルも必要であろう。「外こもり」になるために、わざわざ英会話教室に通うなどしていれば話は違うが・・・。まさかそんな人、いないよね? (安田明洋/verb)