小泉純一郎首相は3日、衆院の郵政特別委員会で、野田聖子元郵政相の「なぜ公社ではだめなのか」との問いに対し、「公社では制約があり3事業しかできない。もっと自由に事業展開できたほうが国民サービスのためにもよくなる。資金運用についても安全重視なので、ある程度収益は上がるがリスクを取る場合は運用しにくいのでは」と述べ、民営化の意義を強調した。

 また、民主党の五十嵐文彦氏は、日米年次改革要望書で米側が日本の郵政民営化を求めている事実などを挙げて、首相が法案成立を急ぐのは「米国からの“催促”が原因なのでは」とただした。これに対し、小泉首相は「ブッシュ大統領との会談で郵貯・簡保が話題になったことはある。しかし、私は大統領が就任する前から民営化論者だ」とかわし、「民営化へ向けた状況を伝えた際、大統領からは『がんばってくれ』ということ以外どうこう言われていない」と米国からの働きかけについて否定した。

 委員会質疑には、審議拒否を続けていた民主、社民党も初めて出席した。【了】