右からサンキュー・タツオ氏(学者芸人)、村瀬秀信氏(作家)、坪井智哉氏(ベイスターズ1軍打撃コーチ)、ダーリンハニー・吉川氏(芸人)、春日太一氏(時代劇研究家)、小島克典氏(ゆるすぽweb編集長) [写真]ゆるすぽ

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今月20日、新宿・ロフトプラスワンでは、今季より横浜DeNAベイスターズの打撃コーチに就任した坪井智哉氏を迎え、生粋のベイスターズファンとして知られる芸人や作家らが"横浜の流儀"をレクチャーするという趣旨のトークイベント=『横浜に入る悦び!』が開催された。

横浜ファンで埋まった場内は開始前から熱気ムンムン。序盤こそノリノリの芸人達やファンの勢いにたじたじとなっていた坪井氏だったが、場の空気に慣れてくるや様々な裏話や期待の選手、独自のコーチング論を語り、集まったファンを喜ばせた。

オープニングで、司会を務めた小島克典氏に乗せられるように「5連勝?いけるよ、いける」などと見得を切った坪井氏は、阪神在籍時代に対戦した98年(日本一)の横浜を「マシンガン打線はどんだけ打っても打ち返される。逆転されるイメージ」と振り返った。

すると、イベントではファンから寄せられたチームの特徴(チームの取扱説明書)が紹介される。だが、その内容は『チームの伝統として2死からチャンスを作ります。点が入っても逆転はしません』、『基本、連敗中が日常です』などとネガティブなものばかり。中には昨年FAで巨人に移った金城龍彦について『金城のことはまだ触れないでください。』といった悲痛な叫びもあった。

横浜で育った有望選手の多くは、後に他球団へと移籍してしまうことから、横浜ファンは「生え抜き選手の引退試合が見られない」という悩みを持つ。金城の巨人移籍も横浜ファンにとっては数々の苦い記憶が蘇るトリガーでもあるのだ。

この日もゲストコメンテーターの一人でベストセラーとなった「4522敗の記憶」著者・村瀬秀信氏は「僕、まだ金城・相川の入団会見の映像見れない」と嘆き、学者芸人・サンキュータツオ氏も「俺も(巨人の)ユニフォーム着てる姿を見たくない」と続けたが、ここで時代劇研究家・春日太一氏が「今度はユニフォームを着てビールかけする姿を見ることになるのかな・・・」と呟くと、会場に集まったファンからは悲鳴が挙がった。

それでも、芸人・ダーリンハニー吉川氏が「(日本シリーズには)自分達で行きましょう」と前向きに呼びかけると、3時間のトークライブの中ではことあるごとに坪井氏へ「左バッターを頼む!」、「筒香、梶谷をお願いしますよ」といった声が飛ぶ。坪井氏は"屈辱の光景"を阻止できるのか――、横浜ファンの期待がかかる。(文=ゆるすぽ編集部)

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横浜ファンと現役コーチが初の邂逅。右からサンキュー・タツオ氏(学者芸人)、村瀬秀信氏(作家)、坪井智哉氏(ベイスターズ1軍打撃コーチ)、ダーリンハニー・吉川氏(芸人)、春日太一氏(時代劇研究家)、小島克典氏(ゆるすぽweb編集長)