イタリア代表は28日のEURO2012準決勝で、ドイツを2−1と下し、7月1日のファイナルへ駒を進めた。記念すべき夜なのに、彼が怒った様子でピッチを後にしたことを、イタリア全土が疑問に思ったことだろう。GKジャンルイジ・ブッフォンは、次のように説明している。
 
「ほかにないこと、これほど貴重な目標を争っているとき、試合が決まっているのに、ラスト5分で苦しみ、あわやという状態になるのは良くない。ドイツが追い付いていたら、延長戦で9−2にされていたはずだよ。EUROは真剣な大会なんてものじゃないんだ。もっと大きなものなんだよ」
 
「可能なときは、楽に勝たなければいけない。僕らには改善しなければいけない側面がある。このチームは若く、そこにちょっとベテランの選手たちが何人かいるんだ。こういう状況では、ベテランが説教するのは当然だよ」
 
3−0とするチャンスをMFクラウディオ・マルキージオが逃した際、ブッフォンはチームメートをしかっていた。同選手はドイツにレッスンをしたなどという意見には耳を貸さず、非常に誠実に試合を分析している。
 
「誇張はやめよう。僕らは素晴らしい試合をして、もっと大差で勝つ可能性もあった。でも、0−0の場面では、いくつかのボールの跳ね返りでもラッキーだったし、すべてがうまくいったということなんだよ。分析は明晰にしなければいけない。あのときに失点していたら、試合は変わっていたかもしれないんだ」
 
ブッフォンはイングランドとの準々決勝を制したとき、「ユーチューブ」で1時間半も、イタリアの各広場が喜びに沸いているのを見ていたと明かしている。だが、彼自身はまだ祝うつもりがないようだ。
 
「今日は笑顔半分で十分だ。そして、前進しよう。日曜に勝ったら笑うさ」
 
大会前の国際親善試合でロシアに敗れ、代表チームに影が忍び寄ったのが、はるか昔のことのようだ。
 
「僕らが成長できたのは、まずは何人かの選手たちが戻ってきたからだ。そして、イタリアにとって大会と親善試合は常に違うということ。それから、僕らが周囲を驚かせたいと思っていたからさ」