一発勝負なので、必ずしも強い方が勝つ訳ではない。
アデレード・ユナイテッド対名古屋グランパス。
蔚山現代対柏レイソル。
広州恒大対FC東京。
結局は全て負けてしまいましたが、
実力差が顕著に出て負けしてまった試合は無かったと思う。

そこに差があったとすれば、
やはり決定力という事になると思いますが、
広州恒大対FC東京は、
スタイルの相性という事もあったと思いますし、
蔚山現代対柏レイソルは、
アウェイという事で微妙な判定がありました。

但し、やはり日本のクラブの場合は、
もっと言えばやはり日本人選手の場合は、
ロングボール、放り込み、セットプレー、など、
そういう攻撃に対しての守備の弱さというのはあって、
そういうものがどこから生まれて来てしまっているのかと言えば、
やはり個々の競り合いの弱さだと思います。

そしてそれは、球際での競り合い、という事だけではなく、
相手の次のプレーに対する予測(危険察知)であったり、
自分が担当しているゾーンでの責任感であったり、
そういう頭脳や意識の部分での個の能力、
そこがまだまだ低い、という事を強く感じます。
日本のサッカー文化の問題点とも言えると思います。

日本のサッカー人というのは、
とにかく、個の力だけで、という事を嫌う傾向がある。
もちろん、個の力だけに依存した組織性の薄いサッカーというのは、
やはり魅力に欠けるところがあるし、いつかは限界が来る。
しかし、サッカーが同数でやるスポーツである以上、
また、相手も組織性というのは高められる、という事がある以上、
最終的には、個の勝負になる、という事は避けられない。

日本人選手は個の力が足りないから組織で、
とは言いますが、いつまでもそれを言っていたら、
いつまで経っても個の力が伸びて行かないし、
更には、本来ならば個の力のポテンシャルがある選手、
そういう選手の成長を阻害してしまいかねないと思います。
フォア・ザ・チームの精神というのは、
個の力がきちんと立っていてこそ成り立つもの。

個の力でこういう事ができる。
個の力でここまではできる。
その前提があった上で、
じゃあ組織的にはどうやろうか、
チームとしてどのようなスタイルで戦おうか、
という話にやはりなって行くわけで、
まず組織在りき、というのは、
砂上の楼閣のようなものだと思います。

フル代表にしてもUー23代表にしても、
海外組と国内組、なぜそこに歴然とした差があるのか?
海外組の選手がより組織的に動けるようになっていたり、
高度なシステムや戦術をこなせるようになっているからなのか?
やはり違いますよね。
単純に、個の力の差、という事ですよね。
そして、しかしそれは、ポテンシャルの差、 という事ではないと思います。

海外では、まず、個の力、という事が重要視される。
いくら組織的に動けていたとしても、
個の力のところで通用しないと判断されてしまえば、
なかなか試合には使ってもらえない事が多い。
結果が全て、というのは語弊を招く表現だと思いますが、
要するに、その選手の個の力がチームにプラスをもらたすのかどうか、
そこが判断材料になっているのだと思います。

但し、1つだけ言える重要な事は、
海外での経験、個の力が重視される文化の中での経験、
または、そういう選手たちとの対戦経験、
それが重要だ、その多さが必要だ、とは言っても、
そういう経験が多く積める選手の数は限られてしまうし、
また、Jのクラブが、
そう頻繁に海外のクラブと対戦できるわけでもない、
という事ですね。

という事は、ではどうすれば良いのかと言えば、
それはもう、日本のサッカー文化を変えるしかない。
もちろん、組織力を重視する、というのは、
日本サッカーにある大切な文化であり、
これからも重視されて行くべき文化だとは思います。
しかし、その重視する組織と個のバランスを、
もう少し個の方へと比重を傾ける。
そういう事が日本のサッカー全体として、
早急に必要なのではないかと思います。

要するに、もう少し日本のサッカーの土壌、
国内サッカーの土壌の在り方、というものを、
欧州や南米のスタンダードに近づけて行く。
そうする事によって、国内でプレーしていても個の力を伸ばせる。
そうなる事が、Jリーグの進化になって行くのではないかと思います。
個の力を伸ばし、更に高度な組織力を、
このプライオリティとベクトルが重要だと思います。
決定力も守備力も、それが向上への解決策になると思います。