デイヴィッド・ベッカムがドレッシングルームへ続くトンネルで、子供のリクエストに応じてユニフォームをプレゼントする。だが子供は、ベッカムに飲ませてあげた飲料水の缶の口をふくためにユニフォームを使っただけで、満足した様子でユニフォームをベッカムに返す。そして子供のシャツの背面には、「ユヴェントス」の文字――そう遠くない昔にあった、有名飲料水のCMだ。

10日のキエーヴォ対ミラン戦の試合後にあった出来事は、これとはまったく違っていた。決勝点を挙げたミランMFサリー・ムンタリが、ボールボーイにユニフォームをプレゼントする。ニッコロという少年だ。テレビカメラが映す中で、ニッコロ君は最初、ユニフォームを返そうとする。少し苛立った様子のムンタリはこれを受けず、ニッコロ君はプレゼントを受け取った。

この映像を見て、ニッコロ君の行動に悪く受け止めた者もいた。だがキエーヴォは、その背景を説明している。それは何よりも、キエーヴォのサッカースクールに通うニッコロ君が、ミランの大ファンでもあるからだ。

「彼があのような行動をしたのは、開幕前にクラブが少年たちに対し、試合後の緊張にある選手たちをわずらわさないようにと、キエーヴォの選手であっても対戦相手の選手であっても、ユニフォームをリクエストしてはいけないと伝えていたからです」

「彼はすぐにユニフォームを受け取り、ムンタリのユニフォームを本物のトロフィーのように、友達に誇らしく見せたかったことでしょう。ですが、彼はグループのリーダーの指示に従って、最初はユニフォームを受け取るのを断ったのです。ですが、ユニフォームは幸運な小さなサッカー選手の手に戻りました!」

父親のマウロさんが明かしたところによると、ニッコロ君はユニフォームを断ったと誤解されて落胆し、テレビカメラや取材を避けたようだ。