10日のブラックバーン戦で予想外に主役となったリヴァプールGKブラッド・ジョーンズ(30)は、この日をどれだけ待ちわびたのだろう。第3GKの同選手は、GKペペ・レイナの出場停止と控えGKドニの退場により、ゴールマウスを守ることになった。

ブラックバーンFWヤクブ・アイェグベニのPKを、ジョーンズは止めた。彼はすぐに、天を指差す。「ルカ、お前のためだよ」。このとき、リヴァプールは2−0とリードしていた。試合は、3−2でリヴァプールが勝利する。

ルカ君とは、6歳の若さで2011年に白血病で亡くなったジョーンズの息子さんだ。試合後、ジョーンズは『ガーディアン』で、次のように明かした。

「何が頭をよぎったか? 息子を亡くしてからの難しい日々のことだ。PKセーブは彼のためだ。そして、すべてのサポーターのためだよ。常に僕へ支援を示してくれた彼らに感謝するためだ」

ジョーンズは南アフリカ・ワールドカップでオーストラリア代表に選出されたが、ルカ君の病気の知らせに、大会を前にチームを離脱した。彼が南アフリカへ戻ることはなく、ルカ君は1年以上も闘ったが、11年11月18日にこの世を去った。

先週、恋人のダニ・ローレンスさんがニコ・ルカ君を産んで、ジョーンズは再び父親となった。試合前、ダニさんは『ツイッター』で、「結果がどうなろうと、私とニコはあなたたちを誇りに思う。ルカが見ているわよ」とツイートしていた。

13年間で119試合出場というジョーンズは、再び大きなチャンスを迎える。レイナとドニが出場停止のため、彼はエヴァートンとのFAカップ準決勝で再びゴールマウスに立つからだ。彼は同じように活躍しようとトライするだろう。何よりも、天国から見守るルカ君のために…。