イタリア半島最南端レッジョ・カラブリアに拠点を持つレッジーナが、奇跡のセリエA残留に向けて“町ぐるみラストスパート”を切った。カルチョ・スキャンダルの影響で「−15p(仲裁判決により−11pに)」を宣告され、開幕前から「セリエA残留は不可能」と評されたレッジーナだが現在9勝10敗9分の勝ち点「25」、残留圏内の17位まで浮上した。快進撃を続けるレッジーナを、レッジョ・カラブリア市長ジュゼッペ・スコペリッティが後方支援する。

31日(土)のセリエA第30節は勝ち点「27」で14位につけるシエナとの一戦。残留の懸かる重要なホームゲームを控え、自らを「ウルトラス出身」と公言するスコペリッティ市長が動いた。同市長の発案により、レッジョ・カラブリア市役所は5000枚のチケットを購入、“18歳未満の学生”に配布することが明らかとなった。強力な援軍の出現にレッジーナのマッツァーリ監督は「賞賛すべき試みだ。シーズン終盤に入り、残留を勝ち取る為にもサポーターの後押しは欠かせない。サポーターこそ“12人目の選手”だ!!」と喜びを爆発させた。

02−03季のA昇格から毎年“綱渡り残留”を演じてきたレッジーナ。マイナス判決を受けた今季はさらに過酷な“蜘蛛の糸”をよじ登っている。現実味の帯びてきた奇跡のセリエA残留を、町ぐるみで掴み取る。

佐藤 貴洋