プリンター革命が起こる! 正真正銘インク不要のプリンター登場で、スマホでプリントも夢でなくなるか

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「プリンターにはインクが必要」 これはプリンターの登場から今に至るまで常識だった。
それがもしかすると変わるかもしれない。

プリンターで、いざ印刷しようと思ったらインクが切れていて印刷できなかった。なんてトラブルは誰もが1度ならず経験しているはずだ。
最近のプリンターはインクカートリッジの値段が高くなったこともあり、インク切れをしたら、インクを買い替えるより「安いプリンターを買ったほうが安上がりだ」、などという本末転倒な事態もリアルに起きている。

そんな時世だからプリンターを買ってまで印刷はしない、そんな人が増えるのも不思議ではない。
家庭にあるプリンターも、年賀状シーズン以外は埃をかぶっている。
そんな状況なのではないだろうか?

ところが、今、プリンターの世界に大革命を起こすかもしれない製品が開発された。
Tocanoが開発中のプリンター「Inkless」は、正真正銘、インク不要のプリンターなのだ。


Inklessを開発しているTocano


これまでにも「インク不要」を謳うプリンターはあった。
しかし大半は、専用紙が必要であり、その専用紙の価格が高かった。
1枚あたりの値段は50円から100円程度。子供に渡して何枚もプリントさせるなんて気軽な使い方はできない。

Inklessはモノクロプリントしかできないものの、熱を使って紙を焼くことで文字を印刷する。
イメージとしては、焼き印を使って印刷するようなもの。
赤外線レーザーを使うので細かい文字もきっちりと印刷できるのだ。

最大の特徴は、普通のコピー用紙にそのまま印刷できることである。

コピー用紙なら1枚1円もかからない。
・子供が1日何枚印刷してもコストを気にする必要は無い
・オフィスで大量の印刷をしても、トナーやインク切れの心配も一切ない
プリンターが故障しないかぎり、高価なインクやトナーを買う必要が一切ないのだ。


紙の表面を赤外線レーザーで焼いて印字するためインクがいらない


Inklessは、まだ製品が出てきていない。
そのため、プリンター自体がどのような形状になるかは不明だ。
しかしインクやトナーを必要としないため、本体サイズはかなりコンパクトになるだろう。
またインク交換をする必要もないため、蓋の開け閉めなど面倒な構造もなくなる。

実は、プリンターで困るのが、インク切れのほかに、突然の故障やトラブルがある。
たとえば、
・交換したインクがうまくはまっていない
・インク交換時にほかのカートリッジがはずれてしまった
・蓋が正しくしまってなく印刷できない
・突然、原因不明の故障が発生する
など、ちょっとしたことでエラー表示が出て使えなくなることも多い。
またレーザープリンターだと、トナー交換時に、手や服を汚してしまうこともある。
しかしInklessは、インクやトナーがないので、そんなトラブルとも一切無縁になる。

さらにInklessはインクを使っていないので、水に濡れて滲んだり、こすってかすれたりすることもない。
赤外線レーザーを使うため、ワインボトルのような曲面への印刷も可能になるだろう。

インク交換不要となれば、メンテナンス不要となるので、コンビニやホテルのフロントなど、あらゆる場所に設置することもできる。あらゆるお店をプリントステーションにすることも不可能ではない。

もしInklessプリンター本体を小型化できれば、スマホの裏側にInklessプリンターを内蔵することも夢ではないかもしれない。

いつでもどこにでもプリンターが持ち運べる。
そうなれば、今までとはまったく異なるプリンターの使い方が生まれてくる。

Inklessプリンターの登場は、「プリント」「印刷物」の概念を変える、大革命になりそうだ。


山根康宏