ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

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ドジャースの快進撃支えるブルペン陣、指揮官も称賛「結束されたグループ」

 ドジャースがナ・リーグ優勝決定シリーズでカブス相手に2連勝を飾り、29年ぶりのリーグ制覇に大きく前進した。地区シリーズを含めてポストシーズン(PS)無傷の5連勝と快進撃を続けるチームの中で重要な役割を担っているのが、リリーフを務める前田健太投手だ。15日(日本時間16日)の第2戦はターナーの劇的なサヨナラ3ランで決着したものの、前田は9回にブルペンで肩を作っており、デイブ・ロバーツ監督は延長戦突入の場合は日本人右腕を起用する予定だったことを試合後に明かした。

 重要な場面での登板が続いている前田の評価は上昇中。チーム内からも絶大な信頼を寄せられており、現在メジャーで最高の安定感を誇る守護神のケンリー・ジャンセン投手も「この先、とてつもない助けになる」と話している。米紙「ワシントン・ポスト」が報じている。

 前田はダイヤモンドバックスとの地区シリーズ第2、3戦、カブスとのリーグ優勝決定シリーズ第1戦と3試合連続で登板し、打者9人を完璧に抑えてきた。シーズンを通じて圧倒的なパフォーマンスを見せてきた最強守護神ジャンセン、PSで快投を続けるモローらとともに形成する強力ブルペンは、ドジャースにとって大きな武器となっている。

 同紙によると、ロバーツ監督は「彼らは役割を果たしている。呼ばれたときに準備ができているからね。そして彼らは戦っているんだ。とても結束されたグループだ。やりたいことをしっかり把握して、それを実行している」とブルペンを絶賛しているという。

米メディアも前田を絶賛「支配的」「右打者に対しては特に脅威」

 メジャー最強左腕も絶大な信頼を寄せている。カーショーは記事の中で「我々の武器の一つだと思っている。確かに先発として出来るだけ長く投げたいけど、彼らにボールを託すことで事はよりうまく運びやすくなるよ」と言及。昨季のポストシーズンでは、カーショーとジャンセンに過度の負担がかかっていたが、今季は前田やモローがいることで、2人は本来の役割に徹することが出来ている。中でも、先発ローテーションから外れながら、ブルペンで新たな役割を高いレベルでこなしている前田の存在は大きい。

「ポストシーズンではローテーションの枠が与えられなかったが、マエダはブルペンの対右打者のスペシャリストとしての役割を喜んで果たした。彼は支配的で、3イニングでの登板で9人の打者全てを打ち取った」

 このように、記事では「リリーバー前田」を絶賛。そして、メジャー最強守護神も自身にバトンをつなぐ日本人右腕に早くも絶大な信頼を寄せている。

 ジャンセンは「我々はとても素晴らしいブルペンだ。自分がヒーローになろうとしているわけではないが、チーム、そしてロバーツ監督が求めることならなんでも、試合に勝つために自分のすべてをつぎ込む準備はできている」とした上で、前田についても「ケンタはロースターの層がどれほど厚いか理解している。ポストシーズンでは簡単に先発の座につけるのに、彼は小さなことが勝利には欠かせないということをわかっている。この先、とてつもない助けになるだろう」と話している。

 また、米誌「スポーツ・イラストレイテッド」もドジャース2連勝の鍵となったポイントのうちの1つに「信じられないブルペン」を挙げ、その中で「先発5番手のマエダは短いイニングで効果を発揮する。右打者に対しては特に脅威であり、ローテーションでの彼の経験は複数イニングの登板に適したものである」と前田の働きについて特筆している。

 リーグ優勝決定シリーズはシカゴのリグレー・フィールドに舞台を移し、17日(同18日)に第3戦が行われる。次戦はダルビッシュが先発だが、敵地3連戦でも前田が重要な役割を担うことは間違いない。29年ぶりの世界一へ、キーマンの存在感は増すばかりだ。(Full-Count編集部)