福岡県の宗像市および福津市内にある「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が世界文化遺産に登録されることが決定した。5月にユネスコの諮問機関のイコモスが遺産群の半分について除外勧告をしていたが、一転してすべて登録となったため、喜びもひとしおのニュースとなった。(イメージ写真提供:123RF)

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 福岡県の宗像市および福津市内にある「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が世界文化遺産に登録されることが決定した。5月にユネスコの諮問機関のイコモスが遺産群の半分について除外勧告をしていたが、一転してすべて登録となったため、喜びもひとしおのニュースとなった。
 
 しかし、中国メディアの今日頭条は18日、「神が宿ると言うだけでこの無人島が世界遺産登録に成功したなんて、とても信じられない!」と、別の意味で全く思いがけないとする記事を掲載した。世界遺産は、本来遺跡や記念物を保護するための制度であるが、現在では観光的価値を保証するブランドのように見なされているのが現状だ。記事が意外に感じたとしたのはそのためかもしれない。
 
 沖ノ島に関しては、今回登録を目指し、多くの規則のある「神宿る島」という側面を強調したとされる。記事は、「島に上陸するのは決まった日」つまり現地大祭の日のみであること、「女人禁制」であること、「抽選で選ばれた男性約200名だけ」しか上陸できないこと、そして上陸に際して「全裸で禊を行う」こと、「島で起こったことは他言してはならないこと」の5つを紹介した。
 
 記事は、今回の登録を受けて、日本政府は遺産を保護するために、今後は研究員と神社関係者のみが島に上陸できるようにすると紹介。これは、遺産登録を観光客呼び込みの材料とする取り組みとは真逆のことであり、記事は驚きをもって伝えている。
 
 神宿る島として登録されることになった遺産群だが、今後は一般人が上陸する機会がなくなり、観光客を呼ぶことはかなわないが、人々の目には一層神秘的な島として映るようになるだろう。また重要なこととして、美しい自然が守られるのは評価できることである。これは、金儲け第一の中国にはなかなかできないことと言えるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)