レンジャーズ・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

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敏腕記者が今季中は「残留」と予想、「彼はエリート中のエリート」

 今季限りで6年契約が終了し、フリーエージェント(FA)となるレンジャーズダルビッシュ有投手について、米敏腕記者がシーズン中にトレードに出される可能性は低いとの見方を示している。さらに、今季終了後の新たな契約は「法外なものになる」と予想。シーズンが深まるに連れて、周囲はさらに騒がしくなっていきそうだ。

 去就に注目が集まる日本人右腕について、特集記事を組んだのは「米ヤフースポーツ」。執筆者はジェフ・パッサン記者だ。「レンジャーズはダルビッシュとの再契約を望んでいる――」。敏腕で知られる同記者は、球団側は来季以降もエース右腕を残留させることを目指していると記した。

 ダルビッシュは今季序盤、レンジャーズが低調なスタートを切ったこともあり、7月のトレード期限までに強豪にトレードされる可能性が高いと報じられていた。その後、チームが盛り返し、プレーオフ進出へまずまずの位置につけていることから、報道は“沈静化”。ただ、仮にレンジャーズがここから失速しても、ダルビッシュがトレードに出されることはないとパッサン氏は予想する。

「トレード・デッドラインまでに優勝争いから離脱したとしても、彼はレンジャーズでシーズンを終える可能性が非常に高いと、ある関係者は語っている」

 では、シーズン後にはどうなるのか。「今シーズン終了まですべてが順調にいった場合、ここ20年間で9桁(1億ドル=約112億円)の契約を結んだどの投手よりも、ダルビッシュは多くのイニングを投げフリーエージェントになるだろう。ダルビッシュは31歳となることや、トミー・ジョン手術の傷跡は不安を抱かせるが」。イニング数が評価基準の大きな要素の1つとなるメジャーにおいて、ダルビッシュがフル回転で今シーズンを終えれば、価値はさらに高まるという。

穴を埋められるのは大谷だけ!? 「オオタニがテキサスと契約を結ばない限り…」

「1億ドル以上の契約は非常に稀である。延べ11回、投手と9桁以上の契約が行われた。何人かの選手はレンタル契約を結び、再契約とはならなかった。そして、他の選手は欠陥品だとみなされた。

 もちらん、ダルビッシュが使い果たされたというわけではない。このエリート中のエリートに対し、球団は喜んで年俸を引き上げるだろう。もし優秀なFA投手を望むなら、年数と金額は法外なものとなるだろう」

 同氏は、ダルビッシュがこの「法外な」契約に値するとレンジャーズは見ていると分析。「レンジャーズはダルビッシュがどんな投手よりも優秀であることを知っている。今年、レンジャーズは非常にダルビッシュらしいシーズンを目の当たりにした。大量の奪三振、多すぎる四球と本塁打、そして僅かなヒットと防御率の低さである」として、再契約が“最適”との見方を示す。

「今オフシーズンにショウヘイ・オオタニがメジャーに来て、テキサスと契約を結ばない限り、レンジャーズはダルビッシュ無しでは恐ろしい展開を考えなければならないだろう。残りの投手陣、そしてマイナーからの昇格を待っている選手だけでは不十分だ」

 ダルビッシュが移籍した場合、その穴を埋められる可能性があるのは日本ハムの大谷翔平投手だけだと指摘。その上で「ダルビッシュが残りの3か月半で良い投球を見せるほど、より多くの球団が名を挙げるだろう」と、今オフの“大争奪戦”を予想している。

 シーズン後、メジャートップクラスの実力を誇ると見られている右腕は果たしてどれほどの契約を結ぶのか。そして、来季はどのチームのユニホームを着ているのか。まずは、残りのシーズンでどれほどのパフォーマンスを見せるかに大きな注目が集まる。