ゲリラ豪雨や予想以上の降雪の中、立ち往生するクルマを横目に力強く走っているクルマがあります。そのクルマこそSUVであります。

押し寄せる波をかき分け、降り積もる雪を四輪で踏破する力強さもさることながら、そこに豪華で快適な機能が加われば、もはや無敵ではないでしょうか?

ただ、SUVの人気は高く、これまでSUVの気配がなかったブランドも名を連ねており、何を選べば……と思っている方もいるはず。

というわけで、SUVのなかでも無敵の実力を有する最新モデルをピックアップ。まずは、最大7人が乗れる大型SUVから。

メルセデス・ベンツ GLSクラス

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2016年はSUVのラインナップ充実と掲げているメルセデス・ベンツ。その旗艦モデルである「GL」がマイナーチェンジを機に「GLS」と改名されました。

最新のデザインに仕立てなおされたボディには3列シートを備えており、最大で7人乗車が可能。運転席周りはもちろん、3列目に至るまで上質な素材で仕立てられており、乗員全員が贅沢な気持ちに浸ることができます。

また、路面や走行状況に応じて車両の特性を変えられる多彩なモードに加えて、電子制御式エアサスペンションや、横風に対して自動で走行安定性を保つクロスウインドアシストなどであらゆる道を快適に突き進みます。さらに、新たに9速ATを採用し、その走りの質感はより上質になっています。

ボルボ・XC90

北欧のスウェーデンで生まれたボルボ。かつては角ばったボディをもつモデルが印象的なブランドでしたが、「V40」以降に登場したモデルはいずれも優美な雰囲気を漂わせています。その最新作が「XC90」です。

漆器のような滑らかさと近未来的なフロントマスクを組み合わせたボディは大きく、最大で7人が乗れるほど室内は広々。さらに温かみのあるウッドなどで仕立てられたインテリアは心地良く、クルマに乗っていることを忘れさせてくれるような居心地の良さが感じられます。

メカニズムでは、新たにプラグインハイブリッドを設定したのもポイント。家庭用電源からバッテリーへ直接の充電が可能な上に、モーターだけでの走行も可能。大きくて重いボディだけに燃費が心配されますが、プラグインハイブリッドではその心配も少ないです。

マセラティ・レヴァンテ

イタリアのスーパーカーブランド「フェラーリ」と少なからぬ関係にある「マセラティ」。これまでは大型サルーンやスーパーカーを手掛けてきましたが、ここ数年で中型セダンの「ギブリ」そしてSUV「レヴァンテ」と、新たな分野でもその存在感を示しています。

ひと目でマセラティであることが伝わるデザインをもつボディは、全長:5004mm×全幅:1968mm×全高:1679mmで乗車定員は5名。50:50という前後重量配分とクラストップレベルの低重心による走りの良さに加えて、6段階の車高調整を可能とするエア・スプリング・サスペンションにより、舗装路から悪路まで頼もしい走りを実現します。

エンジンはフェラーリと協力して開発し、さらに製造もフェラーリのマラネッロ工場で行なわれる3.0L V6ツインターボを採用。そのほかにもディーゼルエンジンもラインナップ。

■ジャガー・F-PACE

イギリス生まれの高級車ブランド「ジャガー」も、この「F-PACE」でSUVに初参戦。スポーツカーのDNAを受け継ぐハイパフォーマンスSUVと謳うように、ボンネットをはじめとしたボディの筋骨隆々とした逞しさがまず目を引きます。

そのテイストはインテリアにも。コックピット感が強めのスポーティな室内は使用する素材も質感は高く、またメーターはフル液晶と先進性も兼ね備えているのもポイント。

パワートレーンはガソリンエンジンのほかディーゼルエンジンもラインナップ。日本投入の際に設定された50台限定の「ファーストエディション」が1108万9000円と高めだったものの、後に販売がスタートしたモデルでは最安で639万円と戦略的な価格も魅力的。

■メルセデスAMG GLE43 4MATIC

メルセデス・ベンツが販売するSUV「GLE」をベースとする高性能モデルといえば「GLE63 4MATIC」ですが、新たに「GLE43 4MATIC」が加わりました。

搭載するV6エンジン(367ps/520Nm)は、最大圧力200barのインジェクターとスプレーガイド式燃焼システムさらにシリンダーフォールには摩擦低減と高強度を実現するNANOSLIDE加工が施されるなど、メルセデス・ベンツのチューニングを数多く手がけてきたメルセデスAMGの最新テクノロジーが詰まっています。また、四輪駆動システムや排気系にも手が加えられています。

ちなみに車両本体価格は1150万円と、メルセデスAMGブランドの手掛けるSUVの中では比較的手頃なプライス。

BMW・X4 M40i

メルセデスAMGと同じく、BMW Mもこれまでより手頃な価格で手に入れられる高性能モデルを充実させています。SUVの中では「X4 M40i」がそれに該当します。

SUVとクーペを合体させたプロポーションを持つ「X4」をベースに、外装はよりダイナミックさを強調するエアロパーツで武装。シャシーや駆動システム、足回りに専用のチューニングが施されるだけでなく、エンジンにも手が加えられており、最高出力で360ps、最大トルクで465Nmを発生し、0-100km/hは4.9秒(ヨーロッパ仕様車値)と、スポーツカーに匹敵する動力性能を実現しています。

(今 総一郎)

雨にも負けず風にも負けず、そのうえ豪華な最新プレミアムSUV 6選(http://clicccar.com/2016/09/22/401005/)