日本代表MF香川真司の所属するマンチェスター・Uが、クラブ史上初の車いすコーチを雇用している事が明らかとなった。13日のイギリス紙『エクスプレス』が報じた。

　昨年FA（イングランド協会）コーチング資格を取得したばかりの22歳の車いすコーチの名はソヘイル・レーマンといい、昨シーズンからクラブのアカデミーで活動している。脊髄性筋萎縮症という病を持って生まれたため、サッカーのプレー経験がない同コーチは、憧れのクラブで夢の第一歩を踏み出したことについて次のように語っている。

「クラブの練習場に行って選手たちを目にするのは変な感じだし、常軌を逸している。僕はクラブのファンであり続けるだろうから、ファンの感情を未だに持っている。素晴らしい環境だし、みんなお互いの事を知っている。僕にとっては、経験豊富なコーチに囲まれながら経験を積める貴重な場だ」

　これまでアマチュアチームでコーチングをしていたレーマンだが、昨シーズンのデイヴィッド・モイーズ体制からクラブでコーチングの場を与えられているという。

「デイヴィッド・モイーズ監督には大いに感謝している。ユナイテッドでコーチングの場を与えてもらい、モイーズ監督に 『感心した』と言われた。彼は僕をクラブの一員として招いてくれた」

「ジョゼ・モウリーニョも現役時代は無名だったから…」と語るレーマンは近い将来、クラブの伝説的監督、アレックス・ファーガソン氏のような智将として頭角を現す日が来るかもしれない。