スタメン

GK 川島永嗣 5.0

 → PKとレッドカードとなるシーンまでは全く問題なかっただけに何とも悔やまれる結果になってしまった。DF今野のコメントから判断すると「誤審」だったことは間違いないようであるが、その前の「判断ミス」と「キックミス」が痛恨だった。押し込まれていた時間帯だったのでつなぎたくなる気持ちも分からないでもないが、高い代償を払うことになった。次節は出場停止となる。


DF 内田篤人 6.0

 → ビルドアップでの貢献が非常に高い。鹿島時代も上手かったが、ブンデスリーガでプレーすることで自信をつけており、難しい状況でも正確に味方につなぐことが出来る。ここまでの2試合では、左サイドのMF香川とDF長友が攻撃のときになかなかボールに触ることが出来ない時間帯があるが、ボールを回すときに右サイドのDF内田のところからスタートすることが多いため、攻撃が右サイドに偏っているということも理由の1つに挙げられる。終盤になってパスの精度が落ちてボールを失う回数が多くなったが、合格点のプレーであった。


DF 吉田麻也 6.0

 → 2試合連続でスタメン出場。ヨルダン戦では同点ゴールでヒーローとなったが、この試合は守備でもいいプレーを見せた。189?と高さがあるので、空中戦は楽に跳ね返すことが出来る。DF岩政が万全ではない状況で、DF吉田がいなかったらと思うとゾッとする。ヨルダン戦ほどビルドアップで目立つことはな方が、つなぎでのミスもほとんどなく無難だった。今回、DF闘莉王とDF中澤が怪我でメンバーから外れているが、ザッケローニ監督は怪我が治ったら招集するつもりなのだろうか。DF吉田に使える目途が立ってきており、年齢的な問題がある二人をどうするのかは興味深いところである。


DF 今野泰幸 6.0

 → PKを与えたシーンは本人談では「触っていない。」ということであり、DF今野がそういうのだから間違いないだろう。GK川島のクリアボールが相手に割った瞬間、危機を感じてチェックに走ったが、危機管理能力の高さが不幸にもマイナスに働いてしまった。それ以外ではカバーリングの良くて、全く問題なし。セットプレーで放ったヘディングシュートはGKの正面だったが、惜しいシュートだった。


DF 長友佑都 5.0

 → 精彩を欠いている一人であり、不用意なファールが多かった。アジアのレフェリーは接触プレーで律儀にファールを取る傾向に強いが、当たっただけでファールを取られるようなシーンも多く、戸惑っている様子が見られた。DF内田と同様に欧州で自信をつかんでいるが、過信になっていて対応が甘いケースが多いように感じる。攻撃では1点リードしていた時間帯は積極的に攻め上がって、後半9分にはMF香川のスルーパスから決定的なチャンスをつかんだがシュートまで持って行けずに終わった。


MF 遠藤保仁 7.0

 → ヨルダン戦ではやや低調なパフォーマンスだったが、この日はハイパフォーマンス。前半から何本もバイタルエリアに楔のパスを通して攻撃のリズムを作った。初戦のあと、「縦パスが入らなかったことが課題。」と言われていたが、見事に立て直した。極め付けはMF岡崎のPKにつながったミドルパス。同点に追いついたことがスキが出てしまったシリアを尻目に最高のパスを送って決勝ゴールに導いた。


MF 長谷部誠 6.5

 → 何度か決定機を外したあとのビッグチャンスを確実に決めた。中盤の4人が絡んだ見事な崩しであったが、いいタイミングでゴール前に入っていて確実にゴールに流し込んだ。ヨルダン戦では「上がりすぎ」でチームのバランスを崩すシーンもあったが、この日は問題なかった。悔やまれるのはPKにつながったバックパスのシーンであり、もう少し丁寧に出していればDF長友も、GK川島も処理しやすかったはずであり、痛いミスであったが、レフェリーに抗議する姿勢などはチームリーダーとして成熟してきたことを感じさせる。ヴォルフスブルクのときとは別人のようである。


MF 松井大輔 6.0

 → スタメン落ちも考えられたが、結局、試合終了間際までプレーし、MF長谷部のゴールをアシストするなど、ヨルダン戦とは見違えるようなプレーを見せた。MF長谷部のゴールシーンはうまく相手をブロックしてパスを出した見事なプレーで、右サイドに張るだけでなく、ポジションを入れ替えてリズムを生み出した。欲を言うと、高いキープ力でファールをゲットしているが、相手にとって危険なエリアでボールを持って仕掛けてファールをもらうようなプレーを期待したい。


MF 本田圭佑 7.0

 → タフな試合となったが、持ち前のフィジカルの強さが生きた。決勝ゴールとなったPKはかなり危ないコースで運もあった。MF長谷部のゴールにつながった縦へのドリブルも見事だった。また、GK川島が退場になったことで10人なってからは1トップに入ったが、体を張ったプレーでボールをキープし、攻撃のチャンスを作った。FW前田、MF香川とのコンビはヨルダン戦よりもはるかに良くなってきており、チームメイトを生かそうとする姿勢も見られた。フリーキックがうまくいっていないことは心配。


MF 香川真司 5.5

 → 先制ゴールはいいタイミングでゴール前に入ってきて鋭い切り返しでシュートを放ち、後半に何度かいいパスで味方のシュートシーンを作ったが、中盤でボールを失うこともあって十分な出来とは言えなかった。C大阪でも、ドルトムントでも、MF香川がもっと生きるのカウンターでボールを持ってドリブルでゴールに向かう場面であるが、ここ2試合ではそういったシーンはほとんど見られない。ヨルダン戦と比べると2列目のポジションは流動的であり、「右か」、「真ん中か」、「左か」は大きな問題とはならなかったが、日本がボールを奪ったときにMF香川の位置が低目であることが多く、FW前田、MF本田圭よりも自陣よりからスタートすることがほとんどであるため、速い攻撃をするときにMF香川が遅れてしまって速攻を演出できない。「横」方向の関係は良くなってきているので、今度は「縦」方向でもFW前田やMF本田圭といい距離感をつかみたい。そうすると、持ち味であるスピードに乗ったドリブルを見せられるだろう。


FW 前田遼一 6.0

 → 前半11分のヘディングシュートを含む何度かあったチャンスを生かせずに苦戦の要因となってしまったが、出来自体は良かった。初戦のヨルダン戦では相手のマークが厳しかったこともあって競り合いでほとんど勝てていなかったが、この日は互角以上に戦って、アバウトなボールをしかっりとマイボールにした。MF本田圭がすぐ下のトップ下だけでなく動き回ったことで、相手のボランチの選手を遠ざけてくれたことも大きかった。相手と1対1になればアジアレベルでは簡単に止められない。



途中出場

MF 岡崎慎司 6.5

 → MF香川に代わって途中から出場すると、MF遠藤のパスからPKを奪取し、勝利に大きく貢献した。リプレーで見る限り、誤審のようにも見えるが、ボールコントロールでシュート体勢まで持っていけたことがPKにつながった。スタメンの予想された中、2試合連続で途中出場となったが、流れを変えられる大きな存在になっている。スタメンでも見てみたいが・・・。


GK 西川周作 6.0

 → レッドカードを受けて準備なしで出場することになったが、落ち着いてプレーしていた。アルゼンチン戦でも途中から出場しており、慣れもあったか。次節はGK川島が出場停止となるので大きなチャンスである。もし、サウジアラビアを完封するようだと、決勝トーナメントでGK川島を起用するか、GK西川を起用するか、ザッケローニ監督は悩むことになるだろう。ポジション奪取のチャンスが巡ってきたといえる。


MF 細貝萌 なし

 → 試合終了間際に出場。落ち着いた対応を見せて逃げ切りに貢献した。試合終了間際の登場となったが、MF松井が疲れていたので、2対1と勝ち越してからすぐに投入しても良かったようにも思う。




本田圭佑 (ほんだ・けいすけ)

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