JRT四国放送

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俳句や和歌などを、独特の節回しでうなる、日本の伝統芸能「詩吟」。

その詩吟の全国コンクールで、優勝した中学生が徳島市にいます。

一体なぜ、中学生の若さで詩吟なのか。

そこには大好きな、ひいおばあちゃんの存在がありました。

そして訪れた、別れの時。

漢詩や和歌、俳句などに特有の節をつけて、声のみで心情や情景を表現する「詩吟」。

2025年12月、大阪で開かれた詩吟コンクール全国大会・中学生以下の部で優勝した板東晴音さん、中学2年生です。

晴音さんが詩吟を始めたのは小学1年生の時、母・有希さん、そして曽祖母・正子さんの影響でした。

(詩吟コンクール全国大会で優勝・板東晴音さん)
「漢詩の情景とか心情とかを表現したり、その意味を考えながら歌ったり、自分が思い通りに歌えたら一番嬉しいし楽しい」

詩吟歴60年、揚心流日本朗詠会の塩田節子さんが晴音さんの師匠です。

(揚心流日本朗詠会・塩田節子さん)
「『まー』の『あ』が下向いた」
「母音は下向けない」
「大きく」

(詩吟コンクール全国大会で優勝・板東晴音さん)
「(塩田先生は)情熱的で心に来るものがあって、素晴らしいと思います」

母・有希さんも、晴音さんにアドバイスを送ります。

(母・有希さん)
「『おー』って、唇がこんな感じになってる」
「お母さんみたいな口しないと、見た目もあんまりきれいじゃない」

(詩吟コンクール全国大会で優勝・板東晴音さん)
「発声の、さっきも注意されたけど、おの口とかリズムみたいなものが表現するのが上手くできなくて、悩むときがあって、そういうのが難しい」

過去には7回全国大会に出て、一度も勝てませんでした。

それでも、詩吟を始めるきっかけとなった曽祖母の正子さんは、ひ孫の姿を嬉しそうに見守ってくれていました。

そして2025年12月、8度目の正直を目指して晴音さんは、大阪で開かれた日本コロムビア・全国吟詠コンクール決勝大会に、県代表として出場しました。

そして…。

唐末期の詩人・杜牧が晩秋の風景を詠んだ「山行」で見事、悲願の初優勝を果たします。

(詩吟コンクール全国大会で優勝・板東晴音さん)
「(優勝は)私って、名前呼ばれて本当に驚いたのが一番最初。その後に舞台に上がって、本当に嬉しくて涙が。号泣でした」

しかし大会前、曽祖母・正子さんは体調を崩し入院していました。

(母・有希さん)
「行ってくるよ、晴音全国だよって言ったときに、ありがとうって言ってくれて」

そして、晴音さんが大会から戻った翌日、その雄姿を見届けたかのように、正子さんは天国へと旅立ちました。

(母・有希さん)
「徳島に帰ってきて、いろんな人に報告しなきゃねって言ってる朝に、病院の方から今息をっていう電話が来て、本当に見届けてくれてたんだろうなって、それがすごい嬉しかった」

これまで、どんな時も応援してくれたひいおばあちゃんへ、最初で最後の恩返しでした。

(詩吟コンクール全国大会で優勝・板東晴音さん)
「いつも励ましてくれてたので、喜んでくれてると思います」

大好きな曽祖母への思いを胸に、晴音さんはきょうも吟じます。

だから、これからも見守っていてね。

ひいばあちゃん。

晴音さんは、腹式呼吸によるしっかりした声が審査員に高く評価され、今回の優勝となりました。

これからは、同世代にも詩吟の楽しさを伝えていきたいと話していました。